westkage。 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
前期に引き続き高い評価を付けたい。美麗なCGにばかり目が行きがちだが、視聴者のキャラクターへの愛情もしっかり育っている作品☆
本作は弐瓶勉の漫画を原作とした作品です。テレビシリーズ第2期にあたる作品の為、前作からの視聴を推薦します。2015年4月から6月にかけて放映されました。
さて、待望の第2期です。前作ですっかりシドニアの騎士に魅了されてしまった私ですが、今作もCGに関しては素晴らしい出来でした。CGに関しては海外の評価も高いらしく、国内のコンクールでも受賞歴があるようですね。流石は歴史と実績のポリゴン・ピクチュアズといった所でしょうか。
内容に関してですが前作よりも更に「ラブコメ要素」が強くなっております。ただそれだけを聞くと「弐瓶勉がデザインする淡白なキャラクターでラブコメを描かれていても…」と躊躇するかもしれません。しかし本作はキャラクター1人1人の個性が上手く描かれているためか、そんな心配をすることも無くすんなりと受け入れられます。これはなんでも無いようで大きなポイントであると私は考えます。例えばラブコメが基本となるギャルゲーでは「ヒロインは可愛くて当たり前」むしろ最低限必要な要素であります。誰だって(出来れば)可愛い子と愛を語り合いたいと考える方が自然ですからね。しかし弐瓶勉の絵、単体で萌えられるか…というと好みもありますが厳しく感じてしまいます。少なくともギャルゲーのヒロイン役は無理がありますよね。驚きなのはGoogleで「シドニアの騎士」と検索すると‘Googleショッピング’にシドニアの騎士ヒロインの抱き枕が表示される事。美麗なCGにばかり目が行きがちですが、視聴者(愛読者)のキャラクターへの愛情もしっかり育っている作品…といって差し支えないでしょう。
総評として「前期に引き続き高い評価を付けたい。構成としては王道でありながらも独自の世界観を見事に表現できている作品」といった所でしょうか。私はやや苦手なロボット作品と言う事で1期の視聴前から身構えていた部分がありましたが、今では原作も全て揃えてすっかりファンになってしまいました。アニメ化に伴い大きく評価したいのは‘3D’という全く別の表現方法を用いているにも関わらずキャラクターの再現力が高い事・物語の構成や省略が原作を読んでいても気にならないほどスマートである事・総じて高い品質を保持し続けた事。以上の3点だと思います。原作へのリスペクトが感じられる事は特に大事ですね。(聞いてますかJ.○.STAFFさん)
前期のレビューでも記載しましたが、私がこの作品を好きになった理由の1つが「弐瓶勉が独特の感性で表現する世界観」です。人類の敵である「ガウナ」という生命体を識別するための呼称に「ガ487」と個体識別番号を割り振ったり、ガウナを殲滅する為の武器に「カビ」と名付けてみたり。とにかくセンスがダサい。でもそれがカッコいい(これは特に男性の視点で共感を得やすい部分だと思いますが)「ダサカッコいい」と思います。またシドニア100景と称してシドニアの名所をピックアップして描いたりする部分も「細部までこだわっているな」と男のマニア心をくすぐるような本作の魅力だと思います。
気になるのが、2期の最終話EDで「1期からのダイジェスト名シーン」的な物を流していたところ。これは1期のEDでは見られなかった手法だったので、2期でとりあえずは制作ストップということなのかな?と連想してしまいました。3DCGのアニメーションは制作費用がかさんでしまうので、おいそれと3期という訳にはいかないのでしょうが、是非続編も制作して欲しいと願わずにはいられません。まだ視聴されていない方が居れば是非お勧めしたいシリーズです。