蒼い✨️ さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
満足しました。
製作:日本アニメーション
1978年4月 - 10月に放映された全26話のTVアニメ。
スタジオジブリ作品で数々の劇場アニメを大ヒットさせた宮﨑駿監督が髭を生やす前、
髪の毛が黒かった37歳当時に手がけた初監督作品。
43歳だった働き盛り真っ盛りの高畑勲もが演出・絵コンテなど中枢で実力を発揮しています。
この作品の世界観。
戦争と科学兵器によって地球が一度崩壊し、人類数十億人の殆どが亡くなった21世紀の世界。
当時のフィクションの世界ではノストラダムスの大予言とか終末思想とかの影響で、
地球がボロボロになるアニメが結構ありましたね。ヤマト然り、マクロス然り。
OPアニメで超化学兵器で一度地球が滅び、文明社会が海の底に沈む様子が毎回、流されてるのが圧巻ですね。
しかし、地球も人類も完全には息絶えていませんでした。
人類がいなくなって蘇った地球。青く澄み切った空に美しく広がる海。
鳥や魚たちがいっぱいいて、大自然の恵みあふれる世界。そして海の上に僅かに残る島々。
実は人類は完全に滅亡してはおらず、極僅かな生き残りが海洋上の孤島で細々と生きている。
小さな小さな残され島で“おじい”に育てられ二人っきりで暮らしていた、純朴なわんぱく小僧・コナンが、
不思議な力を持った少女・ラナと出会ったことから始まる、少年のたくましく生きていく冒険の物語です。
とりあえず、思ったことを羅列しますね!
・のび太声が主人公で、ジャイ子声が主人公の親友とは…。
コナン(のび太声)は素直で聡明な子なのですね!運動能力が超人的ですし。
のび太と同じ声なのに、演じ分けされているのに感心しました。
ジムシー(ジャイ子声)も自分が知ってるいつもの青木和代よりドスの利いてない艶のある声ですね。
・ヒロイン(ラナ)が第1話では微妙に不細工な子だと思ってたら、
絶対に我慢できなかったのか即、宮崎監督が直々にラナの作画をチェックするようになって、
宮崎作品風美少女になりましたね。流石、趣味を仕事にしてる方は凝り性ですね!
・永井一郎が老人ではない役(ダイス船長)をするとか珍しい。
三枚目のオジサンキャラが非常に似合っていました。
・最初は敵だったモンスリー。可愛い28歳ですね!と最後まで観終わって思いました。
・今作品の最大の悪役レプカ、この人は正真正銘の極悪人ですが、
ものすごく一生懸命に頑張ってる人でしたので、憎みきれませんでした。
・インダストリアという国が今作品の敵なのですが、悪いやつはレプカ一味だけで、
大部分が、普通の人間として扱われていたのが良かったですね。
最高評議会の老人たち。皆が本当に穏やかで良い人でした。
・作画は一見地味です。画像で見ているだけなら、そう思いました。
昔のロボットアニメなどは止め絵がよくあった気がしますが、
コナンに限っては全編使いまわしが一切なく、劇場アニメレベルに動いていました。
メカとか本当に宮崎アニメな感じでナウシカとかラピュタが好きな人なら満足できそうですね。
1話当たり6000枚~10000枚と言われていて、動画として観た場合、極めて完成度が高いですね。
動くことによって登場人物の魅力を最大限に引き出していますね。
宮﨑駿監督が絵コンテを切って話を作っていたそうで、まさに渾身の作品と言えるでしょうね。
作画にも手を出したりして宮崎無双アニメと言えますかも。高畑勲の手助けもあったとも聞きますが。
・お話としては科学は地上を汚すものだ、人類社会の発展はエゴであって欲を持てば不幸を招く。
人は寄り添ってささやかな営みがあれば幸せに暮らせるんだって感じで、
バックボーンとしては、いつもの宮﨑駿って感じでした。
・でも、悪いやつ相手に戦う活劇ものだと思えば、ほろっと来る場面があったり、
社会生活の仕組みみたいなものを視聴者に見せる話があったりとで、
最後まで見たら生きてるって素敵なことなんだなと思えてくる内容でした。
・元々は海外のSF小説が原作らしいのですが、原型をほぼとどめていない作品らしく、
最終決戦から最終回にいたるまでのストーリーは完全オリジナルです。
でも、そこがあったからこそ未来少年コナンは名作たり得たでしょう。
実のところ、見始めた頃はそんなにも傑作でもないかなと思ってもいましたが、
インダストリアに初めて行ったあたりから、毎回ワクワクしながら見てました。
もしかしたら、昭和50年代でも最上位にくる作品かも知れません。
むしろ、今の子供に見てもらいたい作品の筆頭ですね!
これにて感想を終わります。読んで下さいまして、ありがとうございました。
ではでは、今回はこれにて失礼します!