うち. さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ガッチャマンVS「空気」
SNSサービス、社会風刺をテーマにしたアニメの二期です。
二期からはじめに遂に後輩が登場しました、そして謎の宇宙人も登場。
謎の宇宙人は感情を表す吹き出しのようなものを出す能力を持っており何だかきな臭いです、期待の後輩キャラは感情を爆発させないと変身出来ない等これもきな臭いですね。
クラウズの反対の存在、赤いクラウズが今回の敵なのですがクラウズの存在自体が危惧させるのが目的?なのか敵も狡猾です、善意で動いているクラウズ利用者の首も絞めることになりますからね。
用語
◯クラウズ (CROWDS)
巨大な青い人形を指定された場所に瞬時に出現させてそれを操ることが出来る。
一期では悪意の化身ベルクカッツェに利用され惨事になった。
しかしこの世界はネットに頼り過ぎである…そこも掘り下げるのかも知れません。
五話感想
2:6:2の法則を交えて人は空気を読みなんとなくな感じで生きていると結論をしたみたいですがまったくその通りだと思います。ぐうの音も出ない正論だと思います。
確固たる意志で生きている人はおよそ2割でしょうね。6割の人はそのリーダー的存在に引っ張られて残りの2割はぐうたらというのも納得。
こういった社会の痛い真理を突くところもガッチャマンの魅力だと思います。
『空気』という誰にも変えられないどんな敵よりも恐ろしい見えない物に触れられたことにも興味が出ました、ドラマ「リーガル・ハイ」のシーズン2でも触れられていますが「こいつは皆で叩いても良いや」という風潮は確かに現実でも存在します。
クソアニメ認定をして集団叩くのと一緒ですね。
しかしそこに感情はなく実は「なんとなく」の姿勢でそれを行っている、だって「みんながそう言っているから」というまるでボス猿に率いられる集団の猿のように。
ゲルちゃんも{netabare} 当選しましたし {/netabare}今後の物語は結構恐ろしいことになりそうです。
最終回まで観た感想
意外と説教くさいアニメだなぁと一期の頃から思っていてそこが好きでした。今回も直球で皮肉(説教)を言うスタイルも健在だったのも嬉しい点。
今回の新キャラである翼は「空気に流される、流され続ける人」の代表でありその空気を動かすキャラでもありました。空気を作るゲルサドラの補佐であり第二のゲルサドラでもあったのです。
翼はガッチャマンであり今回の元凶の一端であり被害者という噛めば噛むほど美味しいキャラになってくれました。
ゲルサドラは最大の敵であり被害者…と簡単に片付けていいのか分からない奥深いキャラでした。悪気がなくただ流れに合わせたら独裁者になってしまったのは面白かった、悪気が無いので世界を変化させても「ゲルちゃんいい人だよねー」という空気によって悪い意味で受け入れられるのもまた良かった。
生み出した本人であるゲルちゃんにとっても未知の存在「くうさま」この存在は作中においての空気そのもので空気に従うことしか出来ない化け物でした。
結局何故くうさまは生まれたのか?というとおそらくゲルちゃんのバグから生まれた突然変異によって生み出された存在なのでしょう。「何故心が一つにならないのか」と悩んだゲルちゃんは吹き出し様(人間の感情)を際限なく吸収しますが原因が分からずじまいでした。そして妊婦のように腹が大きくなり満腹状態になりました、ゲルちゃんの体内で処理できないほどの吹き出し様はバグを起こしゲルちゃんから吐き出され人の吹き出し様に突入しオレンジ色の吹き出し様になりそこから生まれたのが「くうさま」…人をダメにするソファ並みに抱きつかれると力が抜けてしまう魅力のある存在 {netabare} 空気に従わない者は物理的に食べるという恐ろしい特性をもっておりました {/netabare}ですが、それは「緩やかな思考統一の一環」だったので事件に繋がってしまったのです。
今回メディア(ネットやテレビ)の脅威というかテレビ離れとか言われても根本部分ではテレビの影響は凄まじいと感じました。多くの人の情報源はテレビだったりするので報道の影響のある情報や(ゲルサドラ関係)残酷な部分も痛烈に描写したと思います。
ある側面ではメディアに踊らされる(メディアも踊る)人間たちのドラマだったのかと考えます、そういった意味ではミリオネ屋のミリオは第三の主役なのかもしれません。
◯まとめ
メディアや政治に無関心でいるとこうなるのかな?と考えます、作中では物事を「深く考えろ」というメッセージがあると思います。それが出来ないから苦労するわけですが。
今回の敵は本当に厄介でした、はじめちゃんの自己犠牲でやっと弱体化する存在でしたからね…同時に今回でもはじめちゃんの思考は人間離れしていてそこが怖い(強い)部分でもあり魅力だと思います。
総合的にキャラも良かったし物語も良かったという佳作でした。