こたろう さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
映像のセンスを楽しむだけ
個人製作の短編アニメ。
舞台は遠い未来、過去の記録を復元することが仕事の主人公が、ある1つの記録の復元作業を進めるうちに何かが判明する・・・・という、お話です。
短編なのでストーリーがどうこうではなく、この短い時間で製作者の訴えたいメッセージのようなものが理解できるかどうか?がポイントな作品。
画面が全体的に暗い、というか色彩のコントラストが薄く、酷く無機質に感じられます。あえてそうしているのでしょうが、それだけで明るい平和な未来ではない、という事が見てとれます。
川も海も緑も空も、自然の類が一切ない世界で淡々と進む「記録の復元」。
機械類ばっかりの閉鎖的空間を独特のカメラワークを使い映像的に物語の背景を理解させつつ、登場人物達の切れ切れの会話と復元された記録の内容で何があったのかを表現しています。
いわゆる解説の類は一切ありません。
エンターテイメント的な面白さは皆無です。
秀作「イブの時間」の監督が作成したという事で視聴した本作。
映像の造り方のセンスは流石に通ずるものがあり、感心しました。
しかし正直、面白くない。
テーマも訴えたい事もわかるけど「だから、何?」でした。
まぁしかし、個人製作のものに商業作品的な娯楽性を求めるのも無粋。
短い時間と映像で、的確に世界を理解させる「表現力」を堪能する作品。
私個人としては、そう感じました。