chariot さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
乱歩・・・?なにそれ?おいしいの?
ノイタミナ枠、没後50年になる江戸川乱歩の作品を原案(?)とする作品。
全11話。
ジャンルは・・・なんだろ。
推理物と見せかけて数学的だったり社会風刺だったり友情だったり。
ややグロ要素アリ。
↓放送中1~2話を観た感想。
{netabare}1~2話「人間椅子」
高校生探偵アケチと中学生コバヤシが関わり合いになるプロローグ的な話。
まずアケチが高校生って・・・とか。
コバヤシが明らかに見た目女子・・・とか。
何を狙ってるのか皆目見当もつかないですが・・・
いや、これ、コバヤシが実は女の子でした的な話になるのかな?
いくら華奢な子だって身体のラインがそのまんま女の子だし、ハシバと同じクラスなのにネクタイじゃなくてリボンだし・・・
ハシバにしてもコバヤシに赤くなってるってどういう扱いなの??
・・・「男の娘」にする必要ないんじゃ・・・?
別にアケチが高校生なんだからコバヤシ少年じゃなくてコバヤシ少女でもいいじゃない。
「コバヤシ少年」って響きにこだわりがあるのかねえ・・・。
さて「人間椅子」に触れましょうかね。
{netabare}なんだろう・・・。
推理させる気はさらさらない作りですよね?
確かに1話に犯人出てました。怪しいセリフも言ってます。
犯人を当てるだけなら簡単ですが、理由付けは2話になってから急激に展開して行く中で見えてくるようなもので、視聴者は眺めているだけで終わるという・・・
そういう物として観ないとストレスが溜まりそうです。
そもそも30歳教師が中学生と恋愛とか、男子生徒にまで興味ありとか、色々問題がありそうですが、まあ、この先生元から殺人鬼だしなんでもありなのかな。。
この作品、2話まで観た所では全体的に狂人が多いです。
人が死んでも犯人にされそうになっても非日常が楽しいと感じる中学生コバヤシ。
恋人を椅子にしてしまう教師。
椅子にされたかった女子生徒。
そういう愛の形があって、惹かれ合うのはそういった精神構造だからであって、ノーマルな人間には理解出来ない事なのでしょう。
幅広く受け入れられるには難しい条件ですね。。
そういえば教師の死体の傍に彼岸花が散ってましたよね?
ちょっと気になって調べたら(手っ取り早くwikiです)彼岸花の花言葉のひとつに「想うはあなた一人」というのがあるそうです。
先生を想う彼女の気持ちなんでしょうかね・・・。
ラストの椅子の中身は誰なんでしょうか。
その時々の一番を次々に椅子にしてる訳ですが、先生の中にはそれでも永遠の一番がいたんでしょうか?
謎です。。{/netabare}
退屈な日常から抜け出したい狂気を持つコバヤシが、狂気を持つ犯罪者に添って事件を解決していく話・・・なんだろうか?
この後どのような展開でどう締めるのか予想も出来ない作品ですが、江戸川乱歩の名を挙げて作る作品であるならファンにも納得行く方向で進めて欲しいです。
ちなみに僕は数作読んだ程度でファンではないのですが「人間椅子」の名称の使い方は些か失礼な気もしました。
(人間椅子は読みました)
次回は「影男」のようです。{/netabare}
観終わって。
おススメする前にまず視聴制限をかけます。
1.江戸川乱歩の作品を好きな方は観ないでください。
出来れば「あ、知ってるよ、蜘蛛の糸(※)の人でしょ?」ぐらいの人がいいです。(※蜘蛛の糸は芥川)
2.ツッコミ過多症の方はご遠慮ください。
疲れますので・・・
3.「コバヤシ」は設定など気にせず「女の子」として扱える方でお願いします。
じゃないと気持ち悪くなります。
以上をクリア出来る方で「なんか猟奇的な雰囲気いいよね~」って趣向の方は是非ご覧ください。
乱歩の名を使い、文学的な作品かと思いきや、途中から数式の話になり、随所に現代社会に於ける問題点に疑問を投げかける作り。
結果として乱歩でもなくラプラスでもなく終わるのですが、とりあえずタイトル回収したからいいよね?
乱歩。
{netabare} 乱歩から小説のタイトルを拝借し、なんとなくタイトルに合った状況を作り出し、それらしく見せている・・・
人間椅子=人の死体を使った椅子
芋虫=手足を削がれた遺体
・・・乱歩の小説の内容を一切知らずに作ったかのような言葉のイメージのみ。
更に社会に対するメッセージ性を持たせた事件は乱歩のイメージとはかけ離れているように思う。
結果・・・
乱歩の名を語るべき作品ではない。
これだけは言い切れる。{/netabare}
ラプラス。
{netabare}設定上で存在する数式であり、「そういうもの」と理解するだけでいい。
魔法で火の玉が出せる事に火種の在りかを考えないのと同じ。
理論なんてないに等しい。
だいたい人の行動を決定する数式なのにfor文のネスト(しかもノートパソコンで処理)になってる意味がわからん。
どんだけ高性能なんだって話で。
この数式により「未来の決定が出来る」異能を得たと考えるべし。{/netabare}
物語。
名探偵アケチと助手のコバヤシが色々な事件を解決していく中で「怪人二十面相」事件に遭遇する。
この二十面相の誕生にはアケチの過去と関わりがあり・・・
{netabare}話の展開としては人物と出来事の関係性もしっかりしていてスムーズに運んでいたように思います。
ナミコシのアケチに対する気持ちも同調は出来ないが解らなくはない。
けど・・・
フォロワーなる一般人が感化されやす過ぎじゃなかろうか。
それだけの大きな煽動があったかどうか。
そこまで大きなカリスマ性がナミコシにあっただろうか。
マスコミや警察まで二十面相になるほどに・・・?
暴動が起きた経緯や仕掛けがイマイチ納得出来ない。
精神異常者(を装って)が精神鑑定で無罪になり再犯を繰り返す等、現代社会に於いての問題に対するアンチテーゼ的な話を盛り込んで、それを裁くデスノート的な二十面相を出現させ・・・
この辺りの流れは上手い感じになっていると思ったのですが、結末としては大掛かりな事件の割にアケチやコバヤシの周りの話で収束したのも少し勿体ない。{/netabare}
キャラ。
{netabare}コバヤシ少年(女子)に対するツッコミはもういいとして、ハナビシ先生(32)や黒蜥蜴はもう少し何かあっても良かったんじゃないか?
黒蜥蜴に関しては謎だらけで、だいたい牢獄にいて何が出来るのか、アケチは何をしに会いに行っているのか・・・
聡明な方には解るかもしれないが僕にはさっぱりだった。。
貴重な常識人ナカムラ。
ゆるいおっさんなんだけど、思考が天才的だったり狂気を孕んでいたり変態だったりする人物が多い中で唯一普通の感じが好きでした。
影男。
ロリコン。だけど幼女は傷つけてはいけないと言い切るいい人。
ギャグ的要素を持つキャラでカッコ良さと面白さでは一番でした。{/netabare}
まとめ。
作り出す雰囲気は好きでした。
後味の悪い話も多く、そこが乱歩らしい感じにもなってましたが、やっぱり乱歩の名を使わずに制作した方が良かったかもしれません。
好きな回:
6話。
ギャグ回で重さもなく、5話の胸糞悪い感じを和らげてくれた。
影男の扱いの酷さが笑いを誘う。