ふの人 さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

メリハリきいた妄想アクション

なんとも「C3部」と比較される為にアニメ化されたような気がするくらいに
散々比較されていますが、まぁ致し方が無いですよね。

「C3部」では無駄に変なリアリティを入れ込んできた挙句、
ゲームのルールをガン無視した展開を繰り広げたために
シリアスな闇落ち展開と相まってか芳しくない評判となった訳ですが、
今作は第1話のアバンの段階で、すでにギャグ路線の作品であることを宣言して
徹底的にその作風を貫いていったので全体の雰囲気はとても良かったです。

とはいえそれぞれの主人公を比較してみるとどちらも割と
ヒドい人物像をしているんですよね。ゆらにしかりモモカにしかり。

でも登場人物の性格に問題があっても、その人物が活躍するフィールドを
ギャグテイストにもっていってしまえばなんでも面白くなってしまうものです。
それとふざけるところはふざける、真面目な描写はきちんと真面目にやるという
物語のメリハリがきちんと効いていたことも今作ではプラスな印象になったのではないでしょうか。

変に媚びたリアリティで失敗するよりかは、フィクションにまみれた作風の中に
ミリタリーファンがちょっと笑えるような小ネタが入っていたりする方が100倍マシですしね。

あと何が個人的にドストライクだったかというと、
妄想という言い訳を生かしたトンデモアクションの数々でしょうか。
特に6話の任侠映画に影響された登場人物たちのシーンは、
それぞれの役っぷりも相まってかそこだけ繰り返し視てしまう魅力がありました。

妄想に任せればなんでもOK、それだけ世界が広がるという事なので
視ていて本当に面白かったです。次はどんな展開になるのかがある意味読めなかったので。

いつもはなんとなく敬遠してしまう、夢オチならぬ妄想オチも
こんな風に昇華すればいいものになるんだなぁと、思い知らされた作品でした。

しかしこんなジャンルの作品が「なかよし」で連載しているもんだから驚きな時代ですわ…。