「Fate/stay night[フェイト/ステイナイト][Unlimited Blade Works] 2ndシーズン(TVアニメ動画)」

総合得点
82.6
感想・評価
1515
棚に入れた
9161
ランキング
360
★★★★★ 4.2 (1515)
物語
4.1
作画
4.4
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.2

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ネタバレ

ジャッジ・シャンゴ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

問われる正義の在処2015

この物語は、2015年における正義の在処を問うものである。
第2クール開始前に南関東で「吐き気を催す邪悪」を象徴する事件が起き、死刑制度や少年法についての議論が各方面で起きた。
同じく、中東情勢やアジア情勢など「正義とは?悪とは
?」と考えさせられる出来事が続いた。

焦点は士郎とアーチャーの正義観での対立である。
士郎は多くを救う正義の味方になろうとしていて、一方のアーチャーは
「正義の味方」となってしまったが故に過酷な運命を迎えたのであった。
士郎の過去の過酷な体験からの多くを救う者となる夢。
アーチャーの「正義の味方」となったが故の恐ろしい現実。

その二つがぶつかり合う事は正義の在処をめぐる物語の象徴の一つとされている。

ある男の「正義と悪の定義は時代によって変わる」という言葉。
これを象徴するかのごとく、士郎の性格の一部は2004年基準から変わり、
アーチャーの生前に直面した現実は正義の味方となる前とは正義と悪の定義が変化していた時期だったのかも知れない。
2004年、すなわち原作ゲーム発売年はMBS土6にて
ハガレンやガンダムSEEDが正義の在処を問う物語を展開していた時期で、
Fateの現実とのリンクの一つを表しているのだ。
Zeroの四次聖杯戦争の起きた1994年11月は、現実では中部地方にて「吐き気を催す邪悪」ともいえる惨殺事件が起きた時期でもあった。
ZeroTVシリーズ終了後の2012年下半期は西日本での吐き気を催す邪悪事件が取り上げられ、
同時期に「ガンダムAGE」FX編やまどか劇場版などの正義の在処を問うアニメが姿を現した。

そして2015年7月現在。
大分で身勝手な理由で日本の未来にとって有益な遺伝子を滅亡させる事件が、
東北地方のある町では「吐き気を催す邪悪」を体現する事件が起きてしまった・・・。
他にも、ある重大事件の犯人の手記やある大物タレントの死刑制度論が話題となっている。

アーチャーの本作での立ち振舞いは、私たちに正義と悪の定義に関わる出来事が近いうちにメディアで取り上げられる事を伝えようとしていたと思う。

そしてギルガメッシュも、「地球人類粛清」という歪んだ正義を実行しようとしていたが、
その考えは士郎によって否定された。アーチャーの時は気持ちを少しでも分かっていたのとは真逆のことだったのだ。

そして最後に
「自分の気持ちを、他人の介入があっても、貫けますか?」
これがUBWのメッセージの一つである。

投稿 : 2015/07/10
閲覧 : 263
サンキュー:

8

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