ソラ さんの感想・評価
4.6
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
Ask DNA
いつも通りの私好みなユーモアな脚本、渋い色彩・音楽。モップアクションかっこいい。
しかし、この作品本来の一番の魅力は何かっていうと、人々の生活感だと思われる。
味のあるモノクロのオープニング、街並を俯瞰して見ているような感覚を得られるエンディングや、
スパイクが聴き込み調査を背景に流れてくる人々の生活感っていうのは異文化を覗き見している感じがして楽しい。
暑くて水着姿でペットボトルの水分をイッキ飲みする女、タバコ吸わな生きていけねぇって感じの渋いおばちゃん。
暇そうでアクビしてるタクシーの運転手。欲しいものを買ってもらえなかったか駄々こねて泣いてる女の子。
交通違反でサツに捕まって必死で言い訳をしている男。
ボクサー志望か街中で戯れてくる少年、道を尋ねた報酬に商品を売りつけようとしてくる商人、街で逆立ちダンスしてる少年。
真っ昼間から音楽に合わせてノリノリで絡んでくる自由職(?)のおっさんとか、さり気なくこそこそと歌ってるおじいちゃんとか、音楽の街って感じがして心が踊る。
なんかこう、それぞれにそれぞれドラマがあって人間観察するのが楽しいよね
もう十五年くらい前だけど、あらためてスクリーンでみれて良かったなと。
ありきたりな日常を一から造形するって感覚がおもろいです。
例えるなら写真家のエドヴァン・デル・エルスケンの写真集のような日常の型どりに感服いたしましたわ。
てかまーなんだかんだ言って結局何が言いたいのかというと、
あー旅してえええ…。
ただその一言がいいたかったの…。
そういえば、とあるTさんがこんな名(迷)文を残していた。
『私は旅行が好きである。全く違う文化や風土に、自分の価値観が揺さぶられるのは、
とても刺激的だと思う。特に目的は作らずに、気分次第で進む先を変える。
偶然に立ち寄る町の角っこでボンヤリとその土地の生活を眺めるだけでいいのだ。
予定表と荷物ぎっちりの名所巡りなんて無意味な疲労と記念写真が残るだけだ。
かく言う私は旅以上に家が好きである。故にあまり外に出ないし、旅もしない。』