「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続(TVアニメ動画)」

総合得点
88.0
感想・評価
3090
棚に入れた
15771
ランキング
135
★★★★☆ 4.0 (3090)
物語
4.0
作画
4.0
声優
4.1
音楽
3.9
キャラ
4.2

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ネタバレ

puuuusan さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

きっと誰もがまちがいながら、今を生きている。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。の続編にあたる今作

これまで「自己犠牲」と言わざるを得ない方法で問題を解決してきた八幡。
しかし彼のやり方では彼自身が救われておらず
そのことを再確認した修学旅行編
自意識過剰とはよくいうが、八幡の場合はその逆で
自分を過小評価しすぎていたのだ。
自分が傷つくことで悲しむ奴なんかいない
そう考えていたがそうではなかったということだろう。
1期の文化祭の時からそんな兆しはあったが今回顕著になってしまった。
このことが後々奉仕部の3人の関係性を問うきっかけになっていく…

八幡と雪乃と結衣、3人の考えの違いが積み重なって大きなものとなった生徒会長編
それぞれがそれぞれの想いを深読みし、言葉の裏を読もうとした…
決して口には出さない、出さなくても分かり合えていると信じていた…
部屋を守る、3人の関係を崩さないという目的のもと別々に動く3人は次第に空回っていく…

この話では八幡と雪乃のあり方がよく描かれていた。
自分の本当の動機に気づきたくない八幡は
「妹のために動いているんだ」という理由が必要だった。
一方雪乃は依頼がないと動けなかった。
あくまで依頼への解決策として自ら生徒会長になることを決意したように装った。
彼ら二人には共通点のようなものがあり、そこに期待した雪乃は八幡ならわかるはずと本心を口にしなかった。
「わかるものだとばかり思っていたのね」と雪乃は言う。
奉仕部の3人の関係が引き返せないところまで来てしまった。

奉仕部が偽物の日常を演じ続ける中、いろはすの依頼。
視聴者としては見ていられない乾いた空気が奉仕部に張り詰めていたところだったので助かった。
笑い多めな雰囲気が漂っていたが、八幡と雪乃の関係はまちがい続けていた。
二人とも、フレキシブルな対応を頼む。
そして八幡の依頼シーンである。平塚先生のおかげである。だれかもらってやれよ…
八幡が少し素直になり、雪乃が玉縄を撃退した。
イルミネーションが綺麗なシーンでの雪乃と八幡の会話があったような気がするが、このへんの話は玉縄の記憶が強すぎて覚えていない…見返したい。
そのためあらすじ口調となってしまった。
フレキシブルに許してほしい。
\アグリー/ \アグリー/ \それある!/

そして、物語の終わりが近づいてきたと感じた終盤
キーワードは「らしさ」
まず葉山
「俺はお前が思っているよりいい奴じゃないよ」
何度か聞いたセリフだったが、なるほどそういう意味だったのか。
葉山と三浦の関係はひと段落といったところ。

マラソン大会の後、距離が縮まったように見えた八幡と雪乃。
バレンタインイベントの時の動揺、クッキーの件、雪乃はらしさを失っていた。
陽乃のちょっかいも増える。ぎこちないながらも完成していた3人の関係は
一度壊れ、恋愛を含んだものとして復活した。
一見本物のように見えるが、これが八幡の欲しかった本物か?陽乃は執拗に問うてくる。
分かり合いたいだけだったのに、恋愛はいるの?
そういうことなのかもしれない。

そして水族館である。
これまでの結衣なら、雪乃と八幡を応援していたのだろう。
結衣は優しい子、それがらしさだった。
「ヒッキーが思ってるほど優しくないんだけどな…」
その言葉通り、結衣は八幡を巡る恋愛バトルを雪乃に仕掛ける。
雪乃はただ受け入れることしかできないでいたが、八幡が割って入った。
この瞬間、結衣は選ばれなかったということになるのだろうか…?
結衣は八幡が割って入るのを分かっててやっているとしたら
やっぱり優しい子だったのかとも思ったり…
とにかくこの場面がすごいのは、何一つ具体的なことは言っていないことだろう。

これまであまり深く3人のラブコメは描かれて来なかった。
とうとう描かれるときがやってきたのだ。終わりが近いと感じたのはこのためである。
八幡はどちらをとるのか、はたまたどちらもとらないのか…
3期カモン!


【まとめ】
完全に雪乃がデレモード。信頼じゃない何かってもうそれ恋じゃないか!
「本物」「偽物」「らしさ」どれも非常に難しい。
生徒会長編のときの奉仕部はまさに「偽物」
レプリカや擬きといった言葉がぴったりだった。
仲直りした後はどうか。
はたからみたら本物だが、本人たちは違和感を感じていた。
おとぎ話(フェアリーテイル)、要するに本物に近い偽物ってことなのかも。
直接的な表現を避け、心象描写や確かな意味を持つ会話は想像の余地を与えてくれた。
きっと青春はこのくらいビターなんだと思う。
複雑で不器用な彼ら彼女らの行く末を見守りたい。
あと喪失感がすごいので3期で責任取ってくださいね。

投稿 : 2015/07/08
閲覧 : 210
サンキュー:

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