「耳をすませば(アニメ映画)」

総合得点
87.6
感想・評価
1449
棚に入れた
9850
ランキング
146
★★★★☆ 4.0 (1449)
物語
4.1
作画
4.0
声優
3.7
音楽
4.1
キャラ
3.9

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

「結婚しよう!」
「嬉しい、私もそうなれたらいいなって思ってたの…」


文面だけなら陳腐と捉えられかねないこのやりとりに、青臭さはあっても安っぽさはなかった。それこそが、この作品最大の美点だと思う。
この時、雫は自分に対して明確なヴィジョンを持っている。
なにをどうしたいのか漫然としていた少女が、恋愛をキッカケに将来に対して夢を持つまでに至ったのだ。
また、執筆活動で得たであろう経験が、この一連のやり取りにごく自然に説得力をもたせているのが素敵。(聖司も同様に、工房での見習いという経験を経ている)
自分の中からなにかを創り出す。それは大変な難産だったに違いない。自分に対する失望もあったろう。思い通りにならない焦りもあったろう。

だけど、苦労の末に得た経験と言う名の宝石は、雫の未来を明るく照らす。
去っていく想い人を見送る立場から、最後には共に坂道を上る関係へと変わっていき、日の出を眺めての告白である。この告白はもはや、大人となんら変わりないじゃないか。だって、この時点で雫は姉よりも一歩進んでるんだし。


相手と対等でありたいと思う雫。相手の気を惹こうと一歩優位に立ちたがる聖司。この二人がとにかく微笑ましかった。
聖司に関して言えば、雫の視点同様に、どんどん魅力的に映っていったのが良かったなぁ。屋上での告白紛いのシーンなんて、ついついニヤけてしまうよね。
微笑ましい描写を挿んで甘酸っぱい恋愛が展開されながらも、青春ストーリーとしてきっちり纏まった名作ですわ。

投稿 : 2015/07/18
閲覧 : 311

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