東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
京アニの本気を見た
2期→劇場版→ここと逆の順番でレビューをまとめ読み難くなってすみません。
ここでは主として1期の作り込みなど、技術的な面を主に劇場版と比較してレビューと採点を進めます。
【】内は劇場版での評価です。
{netabare}(1)物語【4.5】
劇場版の▲0.5はオリの放送版の編集構成に対する不満分です。
その放送版では6話までストーリーの軸にブレがあったことは否めません。
久美子、葉月、サファイア、麗奈を中心とした青春群像劇にしたいのか、物語の軸を吹奏楽部に絞って展開したいのか、6話が終わるまではどっちつかずの中途半端状況でした。
逆にどちらに転んでもいいようにキャラを回していた印象さえ受けました。
その後の7話での葵の退部を契機に流れは確変し、シリアス路線をとなりますけど、6話までのモヤモヤした違和感は拭いようはありませんので、劇場版よりも評価は下がります。
後に、私のモヤモヤにはしっかりとした根拠があったことは分りましたけど、内部の意思不統一が作品に表れてしまったことは京アニのミスです。
その後、序盤の停滞を回収し、神回8話を経て後半は尻上がりに感動を盛り上げていけたのは、京アニが全力でこのアニメを仕上げた結果で、まさに匠の仕事といえるでしょう。
(2)作画【5.0】
劇場版では演奏部分をフルに描いていたので満点ですけど、放送版では画面から手の動きを隠すようなカット割りやカメラワークが多かったことと、劇場版を観ていなければ5点を計上しました。
それでも他社制作のアニメを凌駕していることは事実です。
しかし。劇場版のレベルは放送版を超えていますので、多少の減点はやむを得ません。
これは、放送版を5点にするなら劇場版を6点にする意味と同じになります。
今後評価する作品は、劇場版ユーフォを5点のベンチマークとして他の作品を評価いたします。
(3)声優【5.0】
黄前久美子役黒沢さんは作中ナレーションも担当していますけど、放送版では棒が多く物語の起伏を相殺してしまったことが多々あったことと、麗奈(cv安済さん)の感情表現がどうしても作画に気遅れしている(それだけ作画が凄いのですけど)この2点が目立つマイナスポイントとなります。
黒沢さん、毒キャラの久美子は上手く演じていたと思います。
それぞれ劇場版では改善されていますので、やれば出来たじゃん?ということで減点とします。
(4)音楽【5.0】
1点目
(1)と密接に関係しますけど、作品の方向性について制作に関わっている方々の作品に対するポリシーが6話ぐらいまで、良く言えば試行錯誤的な状況でして、その結果、物語の内容から浮いてしまった「けいおん」をイメージさせるEDとなったのではないでしょうか。
実際、構成の花田氏はコミカル路線をイメージされていたので、あのEDでもありかもしれませんけど、方針決定の結果でEDだけコミカルな香りを残して取り残されてしまったように思います。
2点目
上記の点数はシネマホールで聴いたことによる評価で、テレビでは平均的となりますけど、以下は劇場版とも重複しますが、楽器演奏と作画の連携や上手い下手の演奏の使い分けなどこの作品独特の演出はしっかりと達成されていることと、OP曲がこの作品にとても合っています。
この2点を考慮し、多少の減点となりますけど実質的には1点目が減点要因です。
(5)キャラクター【4.0】
この評価は放送版、劇場版とも共通です。
理由ですけど、京アニの長所が逆に裏目に出た結果です。
京アニの女の子キャラは平均以上に可愛いいですけど、奇抜なキャラデザはまずやりず、良い意味で保守的ですし、京アニではそんなキャラデザはやってほしくない。
しかし、この作品では大会編成の55人に加えて他の部員、部外者を含めれば60人を超えるキャラ数となります。
主人公やサブキャラは特徴的にデザインしても、それ以外ではどうしても似た顔になり印象が残り難くなります。
例えば、部長と葵はよくみれば髪型とかで相違がありますけど、初回から数話の放送では印象がかぶり間違えてしまったこともあります。
2期の鎧塚さんにしてもオーボエを持っているか、デカリボンの近くにいないと付近のモブに埋もれかねません。
キャラが少ない作品なら今までの手法で十分と思いますけど、これだけ多い上に制服姿がほとんどですから、少なくても話題に登場させるキャラの特徴付けには、もう一工夫必要だと思います。{/netabare}
1期の内容に関する感想等はほとんど劇場版にまとめています。
よろしければ御覧になってください。