STONE さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
絶対的な信頼による強さ
原作は未読。
設定自体はどこぞの作品で見たような感じで斬新さはないが、壮大なスケールでゲームを
やろうという舞台にはいい感じ。
ゲームをモチーフにした作品というと、販促番組であるカードトレーディング系以外は
ほとんどがコンピュータゲームであるので、この作品もその類かと思っていたら、ゲームという
ものをもっと幅広く捉えたものだった。
制作会社のマッドハウスはゲームをモチーフにした作品を数多く輩出しており、その辺で
培ったものがうまく活かされている印象。
肝心のゲーム勝負は頭脳戦を謳っているが、一般に想像されるルール内での緻密な攻防を
想像されるとちょっと肩すかしを食らう感じで、ブラフを含めた心理戦主体といった印象。
この点に関しては好き嫌いが別れそうな印象があるが、好き嫌いはともかく、それをずるいと
感じてしまったら、視聴者も『 』(以後、空白と表記)の手のひらで踊らされているのかも。
ただ、序盤に関してはゲームの見せ方の演出で損しているかなという気も。
空白の凄さが感じられたのは中盤以降で、大半のキャラが個々のゲーム、及びその直接的
影響程度を見据えている中、彼らだけが唯一神であるテト相手の異世界「ディスボード」を
舞台にした壮大なゲームに興じていることで、空白のビジョンにおいては個々のゲームですら
コマの一つにすぎないみたい。
このように個々のゲームと同時に、空白の進める壮大なストラテジーゲームが楽しめるのが、
この作品の魅力なのかなという気がする。
空白の強さに関しては、空と白の個々の強さも相当なものだが、その強さの基盤は二人の
絶対的な信頼にあるといった印象。
ゲームによっては自らが捨て駒になることになんのためらいもないシーンが描かれるが、
こういった描写に二人の信頼度の強さを感じさせる。
ただ、この二人のような圧倒的な強さは、勝ち続けることが社会的にはまずく、空気を読んで
負けることも必要とされるような現代社会においては生き辛そう。
そういう意味では元の世界に戻ろうとしないことにやけに説得力がある。
全体的にテンションの高いキャラが多い印象だが、特にステファニー・ドーラ役の
日笠 陽子氏はこれまでにあまりやらなかったキャラで特に印象的。