CountZero さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
放課後の風景
といえば、吹部の個人練で聞こえてくる管楽器の音は外せません。
放課後の学校から聞こえてくる楽器の音を聞くと、懐かしくノスタルジーを感じるのは、私だけではないはず(笑)
rockin'onとかCUTとかHとかstudiovoiceとかの雑誌を穴の開くほど読んで、聞くのはgrandroyalかsubpop、服はX-girlで、HIROMIXに憧れてた10代の私は「部活なんてカッコ悪いし」と中学高校を帰宅部で貫き、冷めたふりした学生生活を送りましたが、そんな10代もカッコつけすぎでむしろカッコ悪かったと赤面できるほどに年をとった今、こうゆうお話を見ると素直に「いいな」って感じます。
みんなとつるんで何かするとかっていうのは「カッコ悪い」と思ってたのでクラスメートには隠してましたが、まあ美術に文学に音楽が大好きな典型的な文化系少女だったので、やっぱり吹部は密かな憧れではありました(笑)
そんな私にとって、この作品は憧れの吹奏楽部を追体験できる素敵な作品でした。
京アニの作品らしく、丁寧な演奏の描写がとてもリアルで臨場感があります。
指の動きまできっちりです。
何話かヘッドホンで視聴したんですが、楽器を持ったり動かしたりするときのカチャカチャする金管木管の音が違ったり、「四月は君の嘘」もそうでしたが、やる気のないときの下手な演奏と気合が乗って音が走ってるときの演奏で音が違ったりと、細かいところまでこだわった音作りも素晴らしかったです。
キャラはいつもの京アニとちょっと違う感じで(体型はいつも通りだけど、なんとなく瞳の描き方が違ったような気がしました)最初は違和感がありましたが、観てるうちに気にはならなくなりました。
ストーリーは、吹部の日常からコンクール出場までの流れを追いつつ、10代らしい人間関係の葛藤を織り交ぜて青春する感じ?になっていました。
黄前ちゃんと高坂ちゃんの{netabare}ちょっと百合っぽい展開{/netabare}は意外でしたが、それよりも、最後まであすか先輩の{netabare}含みをもたせた表情{/netabare}が気になってなんか仕方がありません。
と、ここまで書いたところで、普段はあまり見ないんですが、ふと公式サイトはどんな感じなんだろ?と思って覗いてみたら、監督の石原立也監督がこんなコメントを残してました。
「僕はこれまでに高校生が主人公の作品にいくつも参加させていただきました。
その度ごとに僕はキャラクターたちと一緒に高校生活を送っていて、死ぬ頃にはどれが本当の自分の高校生活だったのか分からなくなってしまいそうです(笑)
なにしろ久しぶりに以前係わった作品の学校を見ると懐かしい気分でいっぱいになってしまうほどですから。」
ああっ、本当にそうですね!
私もそう思います!
そういうことが言いたい感じだったんです(笑)
だってこの作品を見て、現実はかけ離れた高校時代を過ごした私でも、なんか吹部に入ってたらこんな経験できたのかなあなんて、追体験を妄想してしまうくらいですから。
でもそれは、この作品がそれだけありそうな高校生活を丁寧に描いた作品ということになるんでしょう。
そしてそれは、この作品が私にとってとてもいい作品だったということなんだと思います。
なので、監督のこの言葉にすこーし期待をしてしまいます。
「アニメ「ユーフォニアム」は最終回を迎えましたが、久美子たちの夏は続いていきます。」
1クールものとして綺麗に終わったので、続きはなくてもいいのかもしれませんが、あすか先輩と黄前&高坂の関係が気になるので、「久美子たちの続いた夏」を描いてくれたら嬉しいです。
ただの個人的感想を書き連ねてしまいましたが、PAの「TARITARI」と同じくらいお気に入りになった作品なので、オススメです。
夏は吹奏楽のコンクールの時期なんですねー。
近くの中学校から吹部の一生懸命練習してる音が響いています。
夕方に聞こえる管楽器の音色は、やっぱりなんだか懐かしい感じです。