ぱるうらら さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
力関係が崩れた・・・。
『フルメタルパニック』はラノベ原作、2クール(全24話)のSFアクションアニメです。
この第一期『フルメタルパニック』の制作会社は、現在私がとても気になっているGONZOです。数々の名作アニメを作り出していった旧GONZO時代の初期作品なのです。
このアニメで活躍していくのは、AS(アーム・スレイブ)と呼ばれるロボット。“ミスリル”と呼ばれる軍事による平和維持活動を主とする対テロ極秘傭兵組織の一員である主人公は、このロボットに乗って、時にはヒロインのために、時には自分の宿敵を撃つ為に、そして時には我を通すために日夜対ハイテク人型兵器による戦闘を繰り広げてゆきます。
しかし、このアニメは戦闘だけではなくシリアスとは正反対の“のほほ~ん”とした、そして一方的に主人公がヒロインにボコボコにされるような学園生活や日常などもあって、それがひと時の休みのような感覚で見られます。(それを退屈だと思ってしまう人もいるかもしれませんが…)
このアニメは、大多数のアニメとは異なり、ヒロインが主人公を振り回していくのではなく、ヒロインが主人公に振り回されるという点です。とは言っても、彼女も自由奔放な正確なのでその逆パターンもあるのですが、総合的に見ればやはり…。
このアニメのメインヒロインは“千鳥かなめ”ですが、途中から“テレサ・テスタロッサ”という、主人公“相良宗介”の上官が頭角を現し始めます。彼女は長い銀髪でスイス・オーストリア系およびイタリア系の血を引く、齢16のとても可愛らしいアメリカ人です。私的にはかなめよりもテスタロッサの方が好みでしたw
少しばかりどん引きしまったシーンもあったのですが、やはりこればかりは変わりません。(`・ω・´)キリッ
ラブコメ展開はあまり期待しない方が良いかもしれません。主人公が世間一般の常識知らず(女性の扱い方など)の軍事バ・・・いや、ミリタリー少年なので、まぁ一方的にとある女性陣二人から恋愛の対象と見られているようなものです。その代わりに、このアニメは敵味方様々な人々との人間ドラマと兵器による戦闘を楽しむアニメだと思います。
ここから感想。(一部ネタばれ)
ストーリー全体の構成については、まぁ悪くはなかったと思いますが、シリアス展開以外の“のほほ~ん”とした学園の話(クラスメイト達が登場する)が若干拍子抜けと言うか、中だるみのように感じてしまいました。 しかし、2~3話にわたるシリアスな話はどれも設定が面白く、またその中で展開される人間ドラマなどにも興味を注がれて、とても良かったです。
特に15~17話は必見です! これらの回のシナリオはなかなかのものです。
ただ、ASにおける強弱の関係がはっきりし過ぎているために、対等な戦いが“敵味方両エース”か“その他もろもろの兵士達同士”でしか展開されなかったのが少し残念でした。ラムダドライブの設定を強くしすぎたのではないのでしょうか?
“宗介”VSダイ・ハードのブルース・ウィリスもあっと驚く“ガウルン”の戦いが序盤から最後まで展開されていました。これがこのアニメ第一期のメインとなる話であるのはわかるのですが、それにしてもこの二人の対立が多かったように思われました。
最終話では、戦闘そのものや戦闘後の展開があまりパッとしなかったので、もう少し話をひねって欲しかったです。(原作がそのような展開なら仕方がないですが…。)
ラブコメ展開はそれほどと前に書きましたが、全く無いわけではなく、学園内では主に主人公とヒロイン。そしてミスリル内ではテスタロッサとそれなりにあります。 しかし主人公が鈍感なのでとりあえずここでは3人の絆が深まっていったと考えるのが妥当かなと思いました。また、先の2期・3期に持ち越しになってそれはそれで良かったのかもしれません。
このアニメの設定・世界観はとても凝っていて良かったです。 ブラックテクノロジーという未知のモノの存在、それによってもたらされた高次元の兵器、そして裏社会における抗争。舞台は20世紀末の現実の世界。
なんとなくBLACK LAGOONと似た世界観で私にとってはかなり好みでした。
作画に関しては、2002年当時のクオリティから考えると、まぁ当時の水準レベルではないでしょうか。
音楽に関しては、戦闘中の銃撃の音や建物の破壊される時の効果音などが良かったと思います。
また、OP/ED共に頭に残る聞きやすい曲でした。
少し不満な点もありましたが流石は原作・アニメ共々高評価の作品だけあって、このアニメに対する私的総合評価もそれなりに高くしました。
少しばかり古いアニメ故に、あまり見る機会がなかったのですが、実際に視聴してみるととても面白く見ることが出来ました♪