「WORKING!!! [ワーキング]3期(TVアニメ動画)」

総合得点
77.4
感想・評価
1382
棚に入れた
8489
ランキング
625
★★★★☆ 3.9 (1382)
物語
3.8
作画
3.8
声優
4.0
音楽
3.7
キャラ
4.0

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ネタバレ

れのん。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

3期も安定のおもしろさ・ラブコメ要素が加速する完結編

原作既読

 2015年7月~
 高津カリノさんの4コマ漫画が原作
 監督 鎌倉由美さん   シリーズ構成 吉岡たかをさん
  制作  A-1 Pictures

 2010年の1期、2011年の2期以来、4年ぶり。

 自分は1期からこの作品には思い入れがあって、4年ぶりの3期はとてもうれしい。
 原作は昨年末に完結しており、3期は全13巻のうち9巻以降のアニメ化で、シリーズ完結編である。鎌倉由実監督はインタビューで「WORKING!!!では、原作の最後までやりきります。それぞれの人間模様の終着点を1つひとつ大事に見せていきます。これがラストになりますので楽しんでいただければと思います」と語っている。

 1話でキャラ紹介っぽい配慮がされているので、3期から視聴することもできる内容だが、物語が1期からずっと連続していてクライマックスにさしかかっているので、1期・2期(特に1期)を視聴した上で3期を視聴した方がおもしろさが大きいと思う。

 これまでのような物語のあまり進展しない日常ギャグアニメでなく、かなりのはやさで物語が進展していく。もちろん、ギャグ要素もあいかわらず多くて笑える。
 作画はちょっとかわっている(ぽぷらが少しだけおとなっぽくみえたり)が気になるほどでない。ワグナリアの面々はあいかわらず楽しく可愛らしく、安定のおもしろさである。山田はあいかわらずの山田で、相馬さんは他人のプライバシーに異常な関心を示し、小鳥遊君はちっちゃいものフェチ&鈍感で、佐藤さんはへたれである。ぽぷらの「めっ!」の可愛さもすごい。

 新キャラとして、2話で小鳥遊君のドMの義兄峰岸が登場している。このあと、山田母や小鳥遊母も、登場するのだろう。

 鎌倉由美監督は、「3期はラストに向けてキャラたちの人間模様がより深く描かれていくのでストーリー性は自然と備わってくる、それ以外のエピソードはアイキャッチでシーンを切ったほうがテンポもバランスもよくなるだろうと考えた」という意味のことを述べている。アイキャッチによるシーンの切り替えが多いので、話が少し飛びすぎる(アイキャッチ以外にも、ワグナリアの外観を撮して場面転換することも多い)印象も少しあるが、気になるほどではない。テンポもいいので、毎回、30分が過ぎるのが早い。
 opは、作画も音楽も1期・2期とおなじ雰囲気で、あいかわらずミニぽぷらの群れが行進している(途中から山田がばけてる)。

 ワグナリアの雰囲気はかわらないが、1期・2期とは大きな違いがある。3期では、佐藤さん&八千代さん、伊波さん&小鳥遊君の二つのカップル成立に向けての、ラブコメ要素が急に加速している。ときおり、「あれ、これ、working?」と思うほどニヤニヤがとまらない。みんな、恋愛や自分の感情への戸惑いに心を奪われて、まともに仕事をしていないね。ぽぷらちゃんだけ、おねえさんになりたくて、がんばって仕事している(あと、松本さんも)。藤田咲さんがラジオ・ヤマーキングで、「3期はラブが加速しますー」と言っていたが、ほんとにすっかりラブコメになっている。

 6話まで視聴したところだが、このあとも二つのカップルの話が進展していくのだろう。山田兄妹&山田母の話や、小鳥遊家の話など原作はもりだくさんだから、このさき丁寧にやったらストーリーがぼけてしまわないか、13話できれいに完結できるのか、少し気になる。しかし、シリーズ構成は吉岡たかをさんなので、安心して物語が完結するまでみていられることと思う。

 もうひとつ、1期・2期との大きな違いは、あの清純暴力娘の伊波さんが見違えるほど成長していることである。
 もう男性を殴らないで我慢できるようになった。すっかりおとなしい可愛い女の子である。opでも伊波さんは小鳥遊君を殴らないでじっと我慢。

 自分は、暴力的キャラはあまり好きではないけど、伊波さんだけは例外である。現実の男性恐怖症はあんな風ではないだろうが、1期以来の伊波さんは、自分の暴力衝動を必死になくそうとしているけなげな良い子である。そんな伊波さんが、4話で普通に男性陣に混じって話しているのをみて、ちょっと感動してしまった。1期からみていると、感慨もひとしおである。
 3期から観はじめた人は、伊波さんのキャラがつかみきれないかもしれない。小鳥遊君が殴られても殴られてもめげずに相手をしてきたのがむくわれたね。3期では、むしろ、12歳以上の女性に強い拒絶感を持つ小鳥遊君の異常さの方がめだっている。

 あと、なずなの身長が伸びて、身長だけでなくおむねも成長している。一方、ぽぷらと伊波さんは、あいかわらずおっきくならない。

 そういうわけで、ワグナリアの雰囲気は今までとかわらないが、キャラ間の関係や感情に大きな変化が生じていて、それを周りが「様子が変なんです」と話したり気にしたりしている。
 山田や相馬さんはもちろん、店長、真柴2号、陽平など、みんないい味を出している。4話では、店長が店長なりに、いろいろおかしいけど八千代さんを大事に思っているようすが描かれていた。また、なんと山田が(あいかわらず店の仕事には「やる気nothing」だが)、伊波さんの恋の相談&プロデュース役でいい仕事をしていたりして笑える。
 
 アフレコ現場の雰囲気もいいのだろう。声優さんたちにも家族のような一体感があって、完全にキャラをつかんでいるのでアドリブが飛び出したりしたそうだ。公式&関係者ツイートによると、3話アフレコでの佐藤さん&八千代さんの飲みデート回では、小野さんと喜多村さんの緊張感が半端なかったそうで、ラストの佐藤さんがへたれ返上でがんばったところでは(ここの小野さんの演技、さすがと思いました)、終わった後に他のキャストの「ひゅー!ひゅー!」で盛り上がったりしたという。

 ちなみに自分は、3話は大満足だったが、4話後半の伊波さんパートは、欲を言えばもう少し演出を工夫して欲しかった。ここは原作でも自分はすごく好きなところ。

{netabare}
伊波:(意識されてるかはともかく、小鳥遊君、やっぱり様子が変)、、、だ、大丈夫、小鳥遊君? 気分が悪いなら休憩室で休んだ方が・・・
小鳥遊:うう・・・、いえ、、、なんというか、最近の伊波さんは・・・、いい感じです(舌打ちして苦渋の表情)
伊波:そんな苦渋に満ちた表情でいわれても・・・(でも、「いいかんじ」・・・か、、、えへ)
小鳥遊:(不本意だが認めてしまおう、、、伊波さんが若干ほんの少し微妙に、かわいいことを・・)はい、いい感じです、男も殴らないし・・
伊波:ほ、ほんとう? 私、、、あの・・・(もじもじする)
小鳥遊:はい、もうこのまま男嫌いもなおっちゃって、伊波さんも好きな人とうまくいけば、僕もお役ご免で楽になるなあーーー、はははは・・、ははは・・すっきりします。
伊波::ポコッ(とそっと殴って)ば、、、ばか・・・(泣きだしてしまう)
小鳥遊:え・・・

 ここはねえ。あのものすごい伊波ちゃんパンチの数々に小鳥遊君は耐えてきたわけだけど、このシーンの最弱パンチこそ、ある意味、最強の破壊力があるわけで、すごくせつなくもあり感動的なシーンだと思うのだが・・・。
 4話では、伊波さんの可愛さにちょっとときめいてしまった小鳥遊君が、自分の感情を受け入れられず、じたばたしているのがおもしろかった。 ~ {/netabare}

投稿 : 2015/12/29
閲覧 : 489
サンキュー:

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