オキシドール大魔神 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アホ作品としてはなかなか優秀だが、今一歩突き抜けが足りない
原作小説が発売された当時から、作品タイトルを見て、これはアホ作品の金字塔に成り得るんじゃないかと思っていて、買いまではしなかった。しかし、この度アニメ化されるということで、これは絶対見ようと思っていて、いざ観てみると、期待以上の面白さだった。あまりにもくだらなすぎて笑うしかない。本作品のWikipediaの文章すら笑える。たとえば、これからつくらしい主人公の二つ名や、胎教で下ネタを聞かされていたのではないかと疑われるほどの下ネタ中毒者。などだ。一見まともなアンナもこれから狂っていくらしく、ギャグ作品としてはかなり笑える。このままギャグ路線を貫くのか、圧政に対してシリアスに切り込んでいくのか、どっちに転んでも面白い気がする。
ただ、作品タイトルは少し言い過ぎなのではと思う。まず、普通に下ネタを下ネタとして認識している奴らがいるし、エロ本的なのも存在している上に、風紀優良度なる基準もあるので、「下ネタという概念が存在しない世界」は言い過ぎだと感じる。
また、アンナがいくら卑猥な事が分からないとはいえ、顔面にパンツ被ってるやつを異常だと思わないのは無理がある。顔面にパンツを被っている奴を卑猥だとは思わなくても、下着として着用するものを顔面に被るというおおよそ異常な使い方をしていたら、変態だとは思わなくてもどうかしてると思うのが普通なはずだ。顔面にパンツ被ってるやつを卑猥だとは思わなくても、異常だと思わないのは、卑猥云々より常識がないレベルだろう。まあそれを含めてギャグだと言われてしまえばそれまでだが。
あやめがどうかしすぎしていて面白いし、これから新キャラも出るだろうから、しばらくは楽しめそうだが、1クール終わるころには飽きているんじゃないかと心配な気持ちもある。どうかこの気持ちが杞憂で終わってほしいものだ。
基本的に笑えるが、所々違和感が残る。先述したアンナの思考回路もそうだが、下ネタ中毒のくせに生のチンコをみたくらいで動揺するヒロイン、変態のくせに変態と化したアンナを受け入れられずドン引きする主人公、この辺のありがちなギャップ展開に走ったのは残念だった。この作風なら、初めて生のチンコを見れて興奮するヒロイン、変態になったアンナと互いに求め合う変態主人公でも良かったはずだ。常人なら変態になったアンナにはついていけないだろうが、主人公は常人ではないし、ブスならともかくアンナは美人なんだから、むしろちょっとうらやましいぐらいに思うし、アンナを受け入れられない主人公の感性は残念だった。アンナもアンナで、主人公の体つきやにおいを覚える程なら、あんな程度の低い変装くらい見破れよと思う。アンナだけ異常に強すぎるのもなんだかなあと思う。頭がおかしくて面白い作品だが、以上のように突き抜けきれていない点などが、作品の勢いを殺してしまっているのが残念。
不満点はいくつかあるが、こすりというキャラ、声優としても堀江由衣を起用するなどもあり、1クール楽しく見続ける事が出来た。一つ良かったのは、頂の白が割と粘ったところ。放送禁止用語を卑猥な擬音で隠す(しかもその単語を連想しやすい擬音)のは、最初は面白かったが、飽きてくる。ああいうのは結局そのままの方が面白かったりすると思う。
バカOPEDは、この手の作品としては普通か。
声優は松来、堀江由衣、速水奨などそこそこ固められていたが、肝心の主役とヒロインの声優が良く知らなかった。が、ヒロインの声はなかなか好きだった。