tao_hiro さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
心療内科と精神科は違うぞ♡
私は、とある縁から精神障害者の皆さんと交流があります。この作品を観てて、取り上げられる症状に、あれ?っと思ったので確認してみました。
『心療内科は主に心身症を扱います。心身症とは体の病気のことですから、体の症状がメインです。簡単に言うと、心に原因があっても体に症状が出ている状態は心療内科です。例えば精神的ストレスから来る胃潰瘍や神経性大腸炎、心臓神経症などがそれに当たると思います。』
『精神科は、精神疾患を専門に扱う科です。わかりやすく言えば、心の症状や心の病気を扱う科であるということです。心の症状とは、不安、抑うつ、不眠、イライラ、幻覚、幻聴、妄想などのことです。』
『よく町の開業医で、「心療内科」という標榜がなされていても、実際は精神科である、ということがあります。なぜそうなるのかというと、「精神科」と書くと患者さんが来にくいからということもあるそうです。』
・・・ああ、なるほど、「アニメでわかる精神科」は重すぎるって事か(笑)
実際、私の見聞きした精神障害者の皆さんの話は深刻です。「今度一緒に飲みに行こうね」と約束した翌日に自殺した知人がいます。夜中に錯乱し妻子を包丁で切りかかった知人もいます。アルコールとギャンブル依存でボロボロの知人もいます。
多くの精神障害者の皆さんの家族は崩壊してしまっています。かろうじて家族を保っている場合でも、ご家族の心労は過大で、なによりも本人が一番苦しんでいます。とても、この作品の様に、面白おかしく、明るい世界ではありません。
でも、だからこそ、この作品の価値は高いと思います。「病は気から」と言いますが、「心の病気」だからこそ、明るく、元気で、前向きな気持ちが益々必要だと思います。この作品は、「心の病気」に明るい光を与えてくれます。
また、このような「心の病気」の取り上げ方は、健常者への啓蒙になると思います。差別や偏見は「無知」から始まることが多いと思います。この作品によって、精神障害者の犯罪に対する心なき罵声が減ることを切に願います。