westkage。 さんの感想・評価
3.6
物語 : 2.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ラブライブ!本編を見ずにイキナリ劇場版を見た男の感想 と 大きく進化したアイドルアニメについての考察☆
本作は「アスキーメディアワークス・ランティス・サンライズ」の合同プロジェクト‘ラブライブ!’の劇場版です。2015年6月13日より公開開始。公開から2日で興行収入4億円・3週間で12億円と快挙を続けている今作の勢いがどこまで伸びていくのか、見ものですね。
劇場版公開から4週目の2015年7月4日。私は「ラブライブ!The School Idol Movie」の朝一上映を見るため映画館に来ていました。私、ラブライブのファンと言う訳でもなくアニメ版を視聴している訳でも無い、言わば全くのド素人です。 朝の9時だと言うのに映画館のチケット売り場は人ごみに溢れかえり、当日券は上映前に完売となっていました。入場特典のサイン色紙に殺気立つラブライバー達に囲まれて「俺、ツインt…もとい、俺、ここに居ても良いのだろうか」なんて考えながら立ちつくしていました。
そんな私が何故映画館に来る事になったのか。実はここに来る2日前に友達に誘われた事がきっかけでした。友達曰く「入場特典が欲しいので沢山前売券を購入した!力を貸してくれ」との事。ラブライブには関心が無かったものの、話題作の劇場版を無料で見れるとあっては行かない訳には行きません。むしろありがとう!と思いながら二つ返事でOKを出し「折角見に行くのだから、せめて推しメンを決めておくのが礼儀と言うものではなかろうか」と考えた私は「うーん…とりあえず可愛いからことりちゃん推しで!…あとにこにー!!」と‘にわか丸出し’のノリで入場する事となったのです。
総評として「私が想像した‘ラブライブ’以上でも‘ラブライブ’以下でも無い‘ラブライブ’」といった感じでしょうか。調べてみるとこの作品、ユーザー参加型で人気を培ってきた作品のようですね。最近の地下アイドルユニットの様に少しずつファンが押し上げて行くというか、ファンと共に作り上げていくというか。そういう「我が子を育てるような愛着感」があって、はじめて最高に楽しめる…そういう事なのかもしれませんね。‘にわか’がいきなり劇場版を視聴するのは厳しいものがあったようです。ちなみに私の友達は「中の人目当て」と言う事で好きになったようです。なるほど、そういう楽しみ方もあるのかと感じました。
この作品に限らず、最近では「アイドル」を描くアニメも多くなったように思います。アイマスとかアイカツとかWake up, Girls! とかね。…おいおい、そんなこと言ったら昔からあるだろ!銀河お嬢様伝説ユナとか魔法の天使クリィミーマミとかよぉ?…とか言い出すお兄さん方、少しうるさいですよww
まぁ何が言いたいかというと、アイドルアニメって以前までは少し特殊なジャンルだったと思うんですよね。何故かって「アイドル」という偶像に「アニメ」という偶像を重ねているからだと思います。それが昨今ではどんどん市民権を得ているようにも感じます。私の見解では…
1・AKB48登場による、3次アイドルグループの復活。
2・アニメ業界の作画技術の向上。
3・声優の人気度。(見た目含む)
4・アニメの社会的立場の向上。
が大きく関連しているのではないかと思います。
特に②は大きいですね。可愛くなければ始まらない・意味が無いのがアイドルだと思いますが、興味のない私から見てもラブライブのメンバーは可愛いです。「いや、当たり前だろ」とか言わないで下さいね。昔のアニメは一概にそんな事なかったのですよw
少し話はそれますが、昔アニメが嫌いな友達とこんな会話をしたことがありました。
1枚の美少女アニメキャラクターを題材に「この絵をどう思うか」と感想を述べ合ったのです。
私は「可愛い」
友達は「気持ち悪い」
と言いました。アニメ嫌いの人から良く聞くセリフだと思います。
そこで私は「この絵は‘可愛いキャラクターを書こう’という人間の願望を映し出した物だ、それが可愛い・可愛くはない・可愛いが好みでは無いという印象を与えるならまだしも、気持ち悪いと感じるはずはない。貴方が感じた‘気持ち悪い’とは、この絵の事を指す訳では無く、この絵を見て可愛いと言っている人間が生理的に受け付けない=気持ち悪いという事だろう?それでも尚、この絵を気持ち悪いと言うなら、それはあまりにも美的感覚に劣っていると言わざるを得ない。例えばピカソの絵を理解できないと言う人は居てもピカソの絵を気持ち悪いと評する人は少ないでしょう?」と言いました。友達は「おお!確かにその通りだな」と言っていましたね。そんな事を力説する私はとても気持ちが悪かったでしょうw
今はどうなのでしょう。芸術的なまでに可愛いキャラクターを見て、そんな否定的な感想を抱く人は少なくなったのでしょうか?アニメ業界も昔に比べて社会に浸透しつつありますね。
さて、話を劇場版ラブライブに戻しましょう。
クライマックスでは最近のアニメーションならではの2Dに溶け込むような3D処理がふんだんに使われているシーンも数多く存在して作画の質は最高峰でした。キャラクターも個性があって可愛い子ばかり。最近の声優は歌も上手いので、リアルアイドルに負けず劣らずですね。作品としての好みはともかくアイドルアニメとしては非の打ち所がない「まさに完成系を見た」という感じでしょうか。
総評で述べた事はあくまで私が感じた事なので、作品を否定するものではありません。やはり好みなのでしょうね。アイドルアニメに突拍子もない展開や重厚な物語を期待する方がどうにかしています。しかし予想どおりの作品ではあったので、敢えて評価は変えませんが。
最後にこの作品を見て一番気になった事を2つ…
・物語中に歌が始まって、歌が終わった時の劇場内の静けさ
・初見で、完結編かい!!!w