みかみ(みみかき) さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
冲方攻殻は、ちょっと欲しかった方向性とは違うのかもしらん
ARISE Border:1のほうに書いたけど
あー、がー、うーん、ちょっと「これがほしかったわけじゃない」感。
冲方作品には、好きなものもあるし、攻殻機動隊というか、冲方丁作品という感覚で見たほうがいいのかもしれないな、という感じがしてきた。
冲方作品は、『天地明察』『マルドゥック・スクランブル』の2作品は小説で読みましたけれども、『天地明察』はかなり面白くよめた一方『マルドゥック・スクランブル』は、なんていうか、つまんないということはないんだけど、わたしとは「SF」にもとめるもののツボが違うのだろうなあ、という感触がただよった一品でした。
なんつーか、『天地明察』は人間描写はどうでもよくて、江戸風俗や、プロジェクトX的なはなしがすごくよくって、ほんと読んで良かったなという気分になったのですが、マルドゥックは、「対戦シーンなげえよ、アカギとまでは言わないけど、カイジよりもなげえよ…」みたいな気分。まあ、おもろいつーたらおもろいけど、うーん、どうかなー、みたいな。
はっきりと言えば、わたしには、マルドゥックの良さはわからん。
その「わからん」感じが、この新劇場版にもそのままの形で反映されてしまったのか何なのか、そこもわからんのですが、なんともいえない「これのようでいて、これじゃないんだよなー」感。
ディテールのこまごまとした、SF的小ネタ詰め込んでくるあたりは、決して嫌いじゃないし、悪いことはない。悪いことはないんだけど、わたしにとって、攻殻で描いてほしいSFってのは、こうやって小ネタ詰め込むことだけじゃなくて、世界のすべてがいまよりも情報に覆われたときに、社会の根幹の何がかわってしまうのか、ということの「新しい風景」を描いてほしい、ということ。それに尽きる。
なもんで、冲方攻殻は、わたしにとっては「コレジャナイ感」があまりに強い。