OZ さんの感想・評価
2.5
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 2.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
例の紐で注目を集めたファンタジーRPG風アニメ
原作のライトノベルは未読だが
キャラクターデザインが好みなのと
話題に挙がった「例の紐」が気になったので
観てみる事にした2015春アニメ
■例の紐で注目を集めたファンタジーRPG風アニメ■
ロールプレイングゲームの世界観や設定を取り込み
主人公 ベル・クラネルを中心に
出会った仲間達と共にダンジョンを探索していく
ちょいハーレム有りのファンタジーRPG風作品
略称は「ダンまち」こと『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』
シナリオそのものには深みは無く
ダンジョンを潜ってはモンスターと戦うバトルパートと
コミカルなやりとりが行われる日常パートの
二つに分かれて展開される本作品。
見所はキャラクターだけにあらず
レベルやステータスにアビリティ等
MMOの様なゲーム感覚らしい設定が細かく
この手の作風が好きな人にはストライクな設定だろう。
また 書き込まれた背景から
上手く世界観を表しており
評価したいポイントは作画である。
とは言っても
キャラクターを前面に打ち出している作風な為
どれだけ登場人物に入れ込めるかが
評価の基点となりそうだ。
しかし 同時に弱点も幾つか目立ち
主に気になった点は3つ。
まず1つ目は決定的に"説明が不足している"点だ。
1から10まで全てを説明すると
流石に説明過多になってしまうので
やり過ぎないラインが望ましいもの。
特に設定が凝っている本作品では
そのバランスが重要なウェイトを占めるだろう。
良く言えばスピード感はあるが
悪く言えばとにかくハイペースであり
主人公が気付いたら強くなっていたりと
成長過程が省かれているのは否めない。
加えて主人公を含む各冒険者達は
何を目指してダンジョンに潜っているのか?
肝心な物語の方向性が曖昧なまま
最後まで押し切られてしまっている。
何でもかんでも説明を入れる必要はないけれど
原作を読んでいないと分からない部分が多々あり
細かい設定が本作品の特徴なだけに
"原作を読んでいる前提"とした構成は
未読者側にしてみると非常に残念だ。
続いて2つ目は"演技力"。
簡単に言うとキャストに関してだが
メインキャラクターなので当然出番が多い
ベル・クラネルを演じた松岡 禎丞さん
ヘスティアを演じた水瀬 いのりさん
正直この二人がメインを担うには厳しい。
危機迫る場面であろうと穏やかな日常時であろうとも
トーンが常に一本調子で変らず
どの場面でも同じ演技なので
メリハリに欠けてしまい
ミスキャストと感じてしまった程である。
3つ目は過剰なまでに"主人公を迎合した世界"である事だ。
主人公なのである程度優遇されるのは仕方ないにしても
窮地に陥ると必ず誰かが助けに来てくれたり
唐突に能力が覚醒したりと
ピンチをピンチに感じさせない展開が繰り返される為
王道の展開ではあるが意外性が皆無で
「またか・・・」となってしまう事もしばしば。
第10話「怪物進呈(デス・パレード)」で
神がダンジョンに潜るのは禁止事項とされているが
ピンチに陥ったベルを救出するべく
ヘスティアは「バレなきゃ良いんだろ」と
あっさり規則を反故して助けに向かうやりとりがある。
もっとも規則の重みを知っている神達が
私欲の為に規則を覆す一言を発してしまったのは
ハッキリ言って興醒めである。
こうなってしまうと折角練られた設定が意味を成さず
後付けの理由がまかり通ってしまうので
積み重ねてきた事が台無しになってしまうのだ。
そしてそれらの全てが最終回に集約され
展開の早さも然る事ながら
あらゆるモノを詰め込み過ぎており
一気に評価を落とす事に繋がった。
例の紐によって話題を集めたが
良くも悪くもヘスティアしか印象に残らない
話題先行型の作品である。
■あとがき■
タイトル詐欺とまでは言わないものの
作品と繋がっていないのも印象が悪く
断念するかギリギリのラインで観続けていましたが
話題になる程の面白さを見出せない全13話でした。
いくらベルを助ける為とはいえ
ルールを破る展開はガッカリで
第10話を境に評価が下がっていきました。
キャラクターデザインは好みだったけれど
メインキャラクターであるベルとヘスティアに
全く魅力を感じられなかったのが響いたね。
それとやはり最終回かな。
詰め込み過ぎという言葉がピッタリで
稀に見ない出来だったから
最終回で急激に評価を落とし
酷評に繋がってしまったよ。
世界観や設定はラノベ作品の中でも
良く練られていた方なので
全体を通して構成が本当に残念な作品でした。
満足度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ (2)