tao_hiro さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
比企谷八幡のホコロビ
「本物が欲しい」・・・誰もが思い描く願いです。
「本物の愛」「本物の友情」「本物の生きがい」「本物の気持ち」などなど。ところが「そんなものは簡単には得られない」と人は考えてしまいます。
主人公のヒッキー事、比企谷八幡もそんな一人に過ぎなかった事が今回明らかになりました。彼のボッチ至上主義は、「簡単に得られないのならば最初から期待しない」というスタンスに過ぎなかったのです。
多くの人が「本物を見つける」ために、振舞い方を試行錯誤したり、傷つき傷つけ合いしながら苦しむ姿を横目に、「自分には関係ない」「そんな取り繕った関係など偽物」と本物探しを諦めていたのです。
そうやって生きていくために身に付けたのが彼の知性・理性・論理性です。彼は人の心理はおろか自分の心理さえも、要素現象に分析・還元していって、これら要素の作用様式を解明することにより理解し、最適な答えを求めてきました。
ところがそんな彼の生き方にホコロビが生じました。奉仕部の二人(雪乃、結衣)や奉仕部の活動で出会ったクラスメートやその他の人々との交流で、少しずつ知ることになったのです。
知性・理性・論理性では解けない「何か」があることを・・・
その彼の理論のホコロビが、最も恥ずかしく忌み嫌う言葉を彼から絞り出します。
・・・「俺は、本物が欲しい」
比企谷くんの本質を、比企谷くん自身よりも理解していた平塚先生にはかなわないとは思いますが、40年以上生きてきた先輩として一言アドバイスをしておきたいと思います。
「君が本物が欲しいのであれば、君自身が本物になることだよ」・・・