朝霧麻衣 さんの感想・評価
4.3
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
限りある時間だからこそ人は必死に生きようとする
【あらすじ】
人と同じ外見・感情を持つアンドロイド「ギフティア」が実用化された近未来が舞台です。どこから見ても人と区別ができないアンドロイドですが、寿命が約9年4か月しかありません。ギフティアを開発した会社では、寿命間近となったギフティアを回収する業務も請け負っています。そんな会社に一人の新入社員が配属され、回収業務の厳しさを知っていきます。
【作品の魅力】
この作品の見どころは、主人公である新入社員の「ツカサ」とギフティアの「アイラ」が徐々にお互いの信頼を深めていくところにあると思います。また、設定上どうしても避けられない結末が用意されている中で、どのように締めくくるのかといった点だと思います。ストーリーに意外性を期待する方にとっては苦手とする作品かもしれません。でも私個人としては、結末に向かう過程をどのように色づけしていくのかが視聴当初から気になるところでした。
【ストーリー】
ストーリーとしては、あくまでツカサとアイラの関係性に終始スポットを当て続けていたので、1クールという短い中で二人の積み上げていく時間を丁寧に描いていたなと感じました。後半は二人が可愛そうで仕方なくて大変でした(T_T)
最終回まで何とか我慢し、最後は大いに泣きました。
ただ他にも様々な登場人物がいる中で、何か過去に抱えてそうな部分を醸し出しておいて結局掘り下げが無かったり、中盤で起きるとある事件は根本的な解決になっていなかったりと少し消化不良な感が否めませんでした。でも1クールという短い中で何を伝えたかったのかという点で、あくまで2人に視点を絞ったと考えると私は良かったと考えます。
数多くある、2クールあったら化けるだろう的作品の一つだと思います。
【キャラ】
登場キャラの中ではダントツでアイラが可愛かったです(*^_^*)だいぶドジッ子ですが、それが微笑ましすぎて毎週悶えてましたw ミチルも結構好きでした。厳しく言っているようで実は後輩思い(年齢的にこの表現でいいのか?)で、あとで自分の言ったことに後悔している感じがちょっと不器用で可愛いです。
※マンガはミチルサイド視点で描かれているので、そちらも面白かったです。読んだ後にアニメを再視聴するとまた違った印象を持つかもしれません(*^_^*)
【音楽】
主題歌や挿入歌どれもこの作品に合っていて好きですが、その中でもEDが一番のお気に入りですね。アイラのいろんな表情が見られて、それが回を重ねるごとに自分が泣きそうになって正視できなくなっていきます。このEDを見ただけでも制作陣のキャラクターに対する愛情を感じることができました。
【まとめ】
この作品を通して、ギフティアに耐用年数を与えたのは技術的な問題ではなく設計者の意図なのではないかと思っています。「限りある時間を充実したものにしようとして生きる人間に寄り添うことのできるパートナーは、同じ感情を持っていて且つ寿命を迎えることが出来るギフティアだけなのでは?ギフティアをアンドロイドとしてではなくパートナーとして見て欲しい。」そう考えると、私は寿命があって回収しなければならないという設定に納得ができます。勝手にそう思っているだけなんで違うかもしれませんが...
長々と書いてしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!