kids さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
観てよかった!とはなり難い作風だが・・・
アニメオリジナルの作品、全12話です。視聴した方は、衝撃の結末が頭から離れないことでしょう。
★ストーリーについて
この作品は作品構造に「違和感」が生じるようになっています。主人公の女の子は〈古きもの〉と戦う使命を帯びた巫女であり、クラスメイト達との日常を守るために戦っています。終盤までは基本的にバトルを交えつつも日常的な高校生活をメインで描くことになるのですが、観ていてどこか変な感じがするのです。何かがおかしい気がしてしまいます。この違和感が伏線として終盤活かされることになるわけですが。
そして最後に明かされる真実はあまりにも恐ろしいものでした。そしてあの凄惨な結末が待っているわけですから、視聴後は一時的に憂鬱になることうけあいです。
ただ、この構成は視聴者的には気持ちのよいものではありません。僕もはっきり言って観ていて気持ち悪いなと思ってしまいました。その構成に更に凄惨な描写が加わるわけですから、さすがに万人におすすめできる作品とは僕の文章では主張できませんね。
擁護することがあるとすれば、この作品はもともと劇場版での放映を目指していた作品であり、アニメ化するにあたりシナリオはかさ増ししているんだろうなと思われます。実際話は終盤まで驚くほど進みません。それとこれは想像ですが、おそらく劇場版まで全てを通して、視聴者の中での印象の変化に主眼が置かれているように感じました。そこからは上辺、表層だけで物事を判断してしまいがちであるということを自覚させられました。
★登場人物について
終始、日常のはずなのにどこかおかしい感じがするという異様な雰囲気で展開されますが、その空気感を作っているのは登場人物達だと言っても過言ではありません。というのも、前半とラストで、印象が全く異なるキャラクターばかりなのです。
主人公は更衣小夜(きさらぎさや)という女の子です。おっちょこちょいだけど、明るくて人懐っこい性格で、日常パートでは常にみんなの中心にいます{netabare}(まああの町自体が彼女の実験場なのですから当然ですが){/netabare}。ですが戦いになると別人のような冷たい人格と驚異的な強さを発揮します。実はこのギャップ自体が重要な伏線となっています。彼女が何者なのか?考えながら視聴してみるといいと思います。
そして彼女を取り囲むクラスメイト達や学校の先生、カフェのマスター、父親などはみんな彼女に優しく接してくれます。ですがこの周りの人達にもどこか不自然な感じがしてきますね・・・。一体彼らは何を考えているのか、明かされるのは終盤ですが、こちらも要注意ポイントです。
登場人物たちについては、全体的に好印象は持てませんでした。どの人物も素の部分がどれなのかよくわからない構成になっている上に、真実がアレですから当然なのかもしれませんが、どうも制作側の思惑にハマっているような気がしてなりません。
★その他
水樹奈々さんはさすがの歌唱力でEDを歌っています。ただ作品の空気に近いのはOPかなという気がします。
★最後に
ニコ生で一挙放送があったので視聴しましたが、いかんせん作風が作風なので、完全にテンションは下がってしまいました。明るい気持ちになるのは難しいですが、他の作品に飽きてきたらショック剤として視聴してみるのがいいと思います。