スパイ隊長(休止中) さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
6話でよくここまでできたな~、と感心する作品。。
「佳作」
※自分のレビューを見るときはプロフィールを参考にしてください。
やはり6話だとキャラやストーリが雑、というか浅くなるのはしょうがないかなぁと。小説で言う短編みたいなものだと思う。
でもなかなかに深い作品で驚いた。心にじ~んとくる作品だった。
自分には寿命がわずかしかない人と付き合ったことはないから、もしこの主人公の立場ならどうするんだろう。その子が死ぬとわかっていて、それでもなお、そばで笑っていられるだろうか。
もし、その時は幸せでも、取り残される自分はその後どうやって生きていくんだろう。そう考えるだけで辛くなってくる。
そりゃ、もちろん愛しい相手があとわずかな命でも生きている今が幸せなら自分も幸せなのかもしれない。でも、やっぱその笑顔が見れなくなると思うと、自分はその笑顔さえも嫌味に見えてくるかもしれない。ホントにどうなんだろう・・・。
人間はいずれは死ぬ。いつかは来る運命なんだ。でも、死が近い子のそばにずっといられるかなぁ・・・。自分には到底できないだろうな・・・。この主人公は大人だなぁ、というよりは良くできた人間だなぁと思った。
自分も愛しい人と最期まで笑顔で居続けたい、見届けたい。自分の人生は一度きりしかない。後悔はしたくないね。
「なあ、戎崎(主人公)。おまえさ、運命とか未来とか、押しつけられるもんだと思ってねえか」
「運命も未来もおまえ次第なんだよ。おまえはこういうのコッ恥ずかしいと思ってるんだろうがな、逃げることなんてできねえんだよ。おれたちはそういうコッ恥ずかしい場所でコッ恥ずかしく生きるしかねえんだ。そして運命や未来がおまえの思うとおりにいきそうにないんだったら、それを否定しろ。曲げてやれよ。できるかもしれねえし、できないかもしれねえ。でも唯々諾々と従うよりマシじゃねえか。たった一パーセントの可能性にでも賭けてみろよ。 里香(ヒロイン)のためだと思えば、なんだってできるだろう。本当に欲しいものは自分の手で強引に掴み取れよ。おまえの両手はそのためにあるんだぜ」
これは夏目 吾郎(医者)の言葉。彼もヒロインと同じ病気を患った恋人がいて、その彼女が死んだ経験から、自分はすべてを失ったと感じ、主人公が同じ境遇にあることで色々と恋の邪魔をしてくる。
でも悪意があるわけではなく自分と同じ人生(あやまち?)を繰り返してほしくないと思ってたからだと思う。ずっと主人公に八つ当たり(?)してヒロインから遠ざけていた彼が、主人公に向けて珍しく(最初で最後の?)気の利いた上記の言葉をかけた。
題名の「半分の月」はどうして満月じゃないのかなぁと思ったが、見終わって思えば、完全なハッピーエンドではないけど、半分の月は満月の何倍も暗くなるけど、そこにはかすかな光(希望)がある。その光に向かって生きていく二人の人生、を表しているのかなぁ~。憶測だけど^^;
しかし、6話でこの深さなら大満足^^
おすすめは、
記憶のカケラ/nobuko(ED)。切ない良曲。