chariot さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
任せろ。
全11話。0話+10話で0話は2話分にあたる1時間放送。
実質的には12話分です。
グリザイアの迷宮とグリザイアの楽園、2本のゲームのアニメ化になります。
アニメでは0話を迷宮、1~10話を楽園としていますが、原作ゲームでは0~4話が迷宮、5~10話が楽園となるようです。(ゲーム未プレイ)
先に放送されたグリザイアの果実の続編となりますが、観ていなくてもまあどうにかなるはずです。
(以下の内容に果実にも関わるネタバレが含まれる可能性がありますので未視聴の方はご注意ください)
概要:
「カプリスの繭」
風見雄二の過去のお話になります。
{netabare}姉の死から始まる凄惨な幼少期を過ごした少年、そんな少年を救った一人の女性・麻子。
麻子に育てられ、一級のスナイパーとして成長していく雄二。
しかし麻子は任務中の怪我の後遺症で夭逝してしまう・・・{/netabare}
「ブランエールの種」
雄二の因縁の相手ヒース・オスロとの決着に焦点を当てたお話です。
{netabare}オスロとの交渉材料として捕らわれの身となった雄二を救う為に天音たちが立ち回り、どうにか救出された雄二は決着をつける為にオスロの元へと向かう・・・{/netabare}
物語。
中盤、やや詰め込みすぎな感じもありましたが、概ね良好。
だいぶカットされている気もしますが、話の中で矛盾点は特になく(説明不足はある)最後まで綺麗にまとめあげています。
エロゲ原作だけに過剰なエロギャグシーンも会話もありますが、そこに重点を置いたものではなく、基本的にはしっかりしたストーリーでした。
「カプリスの繭」編
雄二の壮絶な幼少期の話はこの子はこれからどうなって行くのだろうと興味をひくには十分すぎるほど強烈で、引き込み方はとても良かったと思います。
{netabare}おおよそ「可哀想」では済まされない少年雄二が麻子という奔放な性格の女と出会い、人として成長し、別れる・・・
果実の段階で故人なのはわかっていたので、迎えた別れのシーンも驚く事はなかったのですが、別れのシーンは一見自由で適当に生きているようにも見える麻子のしっかりした考え方や包容力を感じさせ、雄二、麻子両方の声優さんの名演も後押ししてとても魅力的な演出だったと思います。{/netabare}
「ブランエールの種」
ここでやっと「果実」の時に蒔いた種が実るといった感じで、雄二に救われた5人の少女たちが雄二奪還作戦を開始します。
麻子に言われて救った命が雄二を生かそうと頑張るのですが、つくづく彼の女運の良さに脱帽させられます。
麻子に救われ、彼女たちに救われ・・・
多少の尺の都合を感じさせながらも1期の「果実」で1人1人にスポットを当て、しっかり彼女たちの個性や抱えた闇を描いた事が生きてきます。
奪還作戦はやや駆け足気味なごちゃごちゃ感もあったように感じましたが、彼女たちの山場となるストーリーはテンポ良く、良い意味で非現実的な展開とエンタメ性の高さ、勢いは楽しめました。
なによりコードネームの酷さ加減がツボでした(笑)
後半は雄二対オスロ。
ここもやや駆け足感がありましたね・・・。
{netabare}最終話で2人の強敵を倒してしまうのは勿体ないと思うと共に白雄二(テュポーン)必要だった・・・?的な印象すら持ちました。
また爆発したのになんで生存出来たのか?の疑問は晴れないまま。
リミット5分からの決着であの大怪我(普通死んでるレベル)で逃げ切れる爆風とは思えないのですが。。
ちょっと過剰な演出すぎたかもしれません。 {/netabare}
作画。
全話とても綺麗でした。
果実より気合入ってる気がします。
まとめ。
ハーレム物と位置づけた「果実」と違い、風見雄二に関するストーリー展開でキャラ萌えだけではない勢いに押されたワクワク感を得られました。
同時に萌え要素とお決まりのギャグもシリアスの邪魔にならないように配慮しつつ、楽しませる要素として機能していました。
カットされた箇所も多いようですが、アニメ単体でも楽しめる作品でした。
何よりも制作陣の作品に対する愛を感じられるしっかりした作りに「果実」ではそれほど評価出来なかった脚本・構成の上手さを感じました。
制作陣が本当に見せたかったのはこの続編の方なのではないでしょうか。
非現実的な描写も設定もありますが、1クール飽きずに観られた作品でした。
ラストのオチには驚きでした…
{netabare}笑えるシーンは多々ありましたが、姉ちゃんの無意味な悪戯が一番でした。
綺麗にまとめきったのにまだ時間ある・・・なんでだ??と思っていた所にあのオチ・・・
まさか腕が・・・(笑){/netabare}