STONE さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
原作はもっと面白かったんじゃないかな?
原作は未読。
序盤は際立ったものこそないものの、うまくまとめられていた感があり、それなりに楽しみに
していたのだが・・・。
タイトル通りだとトレジャーハントものの印象があったが、思ったほど本作のトレジャーで
ある七々々コレクション探しが主体でもなかった。
更に七々々コレクションを見つけるまでの謎説きがそれほどたいしたものではないため、
財宝発見のカタルシスは得られにくい感じ。
前述のように原作未読であるために想像ではあるが、この七々々コレクションを巡っては
様々な組織が暗躍する話のようだが、その辺の要素がほとんどスポイルされたか、やけに
スケールの小さな話になってしまった印象が漂うし、更にスリー・スカル関連などは登場頻度の
割りに何しに来たのかよく判らない意味不明なキャラになってしまったような。
トレジャーハントが縦軸なら、主人公である八真 重護と自称名探偵の壱級 天災の
騙しあいとも言えそうな頭脳戦が横軸といった印象だが、こちらも今一つといった印象。
こういう要素は後で真相が明らかになることでカタルシスが得られるものだが、そこに至る
までの見せ方がどうもよろしくない。
視聴者を騙すには真相解明描写までは、ミスリードを含めてある程度の判りやすさが必要だと
思うのだが、そんなに複雑でないものをわざわざ判りにくくしているような感じ。
更に後半以降は戦場 緋夜との戦いがクローズアップされて、結局は各要素が散漫なまま
終わってしまった感じ。
キャラに関しては、キャラデザインが割と好みであったが、こちらも心情描写などが希薄な
ためにいずれのキャラもそれほど魅力的に映らなかった。
それぞれの目的や行動原理は判るのだが、そうなるに至ったバックボーンがはっきりしない。
不義 雪姫などは重護への思い(それが恋愛感情なのか、弟的なものか、主君への忠誠心的な
ものかは判らないけど)が根底にあるために判りやすいキャラだが、何故重護が祭に同調
できないのか?、唯我 一心が頂点を目指す動機は何か?、戦場がそこまで非情になるに
至ったのか?などは結局判らないまま。
龍ヶ嬢 七々々がメインヒロインということになるのかな。
自縛霊であるというのが彼女を個性的存在にしているが、そのために動き回ることができず、
結果として出番が少なくなってしまうというジレンマ。
そのためか幸せ荘でゲームに興じ、プリンを食べている日常自体は楽しげであるが、やはり
どこか寂しそうでもある。
七々々コレクション探しという部分においては不親切とも言えるが、安易なヒントに
頼ることなく、目一杯謎説きを楽しんでもらいたいという優しさとも言えそう。
彼女がゲームやテレビに対しての独白が、偶然であろうが外部の状況にリンクしているのは
なかなか面白い。