「ソウルイーターノット!(TVアニメ動画)」

総合得点
64.5
感想・評価
511
棚に入れた
3209
ランキング
3785
★★★★☆ 3.5 (511)
物語
3.4
作画
3.4
声優
3.6
音楽
3.4
キャラ
3.6

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

デスシティでの日常系

 原作は未読。
 「ソウルイーター」(以後、本編と表記)のスピンオフだが、同じ世界観、舞台ながら、
こちらは女子の日常が主軸とかなり雰囲気の異なる作品になっている。
 トンプソン姉妹がまだデス・ザ・キッドの武器になっていないところなどからすると、
時系列的には本編より少し前が本作品のスタートの時期なのかな。
 タイトルにある"ノット"は主人公である春鳥 つぐみらが属する死武専の非戦闘員クラスの
略称だが、否定形としてのnotにも引っ掛けているのかな。「本編とは違うよ」みたいな。
 原作の開始は2011年とのことだそうだが、2000年代の後半から「けいおん!」などの女子
日常系が台頭していったが、その辺の影響もあったのかなと思ったりした。
 本編では色々な関係性が描かれていたが、よくよく考えると女子同士の友情はなかったので、
そういう意味ではかなり新鮮な印象がある。
 こういうことを意図してか、キャラデザインなども本編より可愛い感じ。本編の荒れた感じの
タッチも殺伐さを感じさせて、作品の雰囲気には合っていたと思うけど。

 また日常を描くことで、必然的にデスシティや死武専の普段の様子が描かれるが、本編では
ストーリー展開を追うのに尺を取られ、こういった部分がおざなりになっていた感が
あったので、そういった部分の補完的作品にもなっているみたい。
 この辺は学園都市の詳細描写を補完している役割を果たしていた感のあった
「とある魔術の禁書目録」に対する「とある科学の超電磁砲」の立ち位置にも似ているなと
思ったり。

 正直、あくまで本編ファン向けの作品という位置付けで、たいして期待して
いなかったのだが、演出、テンポ、キャラがいい感じで、思いの外良かった。
 つぐみ、多々音 めめ、アーニャ・ヘプバーンの日常がとにかく楽しげで微笑ましい。
 キャラがただ日常の日々を楽しむだけの作品もそれはそれで好きだったりするが、キャラが
成長しようと頑張っている姿が描かれているのはやはり好感が持てたりする。
 特につぐみの場合、自身が武器化するというだけで、自身は特にどうしたいという目標もなく
入学してきただけに、そこから環境や友人達との関係性で次第に向上心を持つようになる描写は
割とうまいこと描かれていたように思える。

 日常系であるが、そこはデスシティだけに、序盤から随所に不穏な空気が漂う。
 特にデスバザーにおけるエターナルフェザーの顛末などは直接描写こそないものの凄惨さを
感じさせるもので、この辺はやはり「ソウルイーター」世界の作品だなと。
 この不安要素はシャウラ・ゴーゴンによるものだが、この行動が一気に表面化していくのが
死武専祭の直前。
 それまで死武専祭に向けて楽しげな雰囲気がドンドン高まっていただけに、そこからの落差は
より鬱的要素を強く感じさせるうまい展開。
 めめの物忘れのひどさも当初はキャラの特性と笑いネタとして機能していたが、実は
シャウラの魔術によるもので、終盤においてはつぐみ達が取り除くための障害になり、かなり
うまいこと機能している設定という感があった。
 ここから最後までは本編のようなバトル展開主体となるが、それまでもつぐみがめめと
アーニャのどちらかをパートナーにするかという問題があったが、シャウラと対峙することで
取った戦術が、一人の武器に二人の職人という選択肢。
 本編のデス・ザ・キッドのように逆のパターンはおそらくこれまでもあったのだろうが、
一人の武器に二人の職人は今まではいなかったみたい。
 まあ一人が武器を使っている間、もう一人の職人は武器がない状態になるので、まずそんな
ことを考える者はいなかったのだろう。
 ただ、このつぐみ達の取ったやり方は一見、不利になってしまうように思えるが、
「ソウルイーター」世界の大きな要素である魂の共鳴が単純に二人の力を合わせた以上の力を
発揮できることを考えると、難易度は上がるだろうが3人だと更に大きな力を発揮できるのかも
しれない。
 そういう意味ではNOTの1年生が魔女に勝てたのも、それなりに理に叶っているような気が
する。
 バトルものとして展開自体は悪くなかったが、バトルシーンの作画ははっきり言って
しょぼく、特にスピーディーなシーンが全然スピード感が感じられなかったり。

 本編キャラが数多く登場するのも楽しいところで、特にマカ・アルバーンなどは本編序盤に
おいては自分のことで手一杯といった印象だが、本作品でのつぐみを前にした時などは非常に
頼もしい先輩振りを見せてくれたりする。
 他にもシド・バレットの死、キムの過去、デス・ザ・キッドのパートナーになる前の
トンプソン姉妹など、本編では事後談でなっているような要素が描かれているのも楽しい。
 それにしてもトンプソン姉妹は本当に荒れてたんだねえ。

 最後につぐみがことあるごとに叫ぶ「ガガントス」とは一体?

投稿 : 2015/06/30
閲覧 : 401
サンキュー:

3

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