ワタ さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
危機的状況下で揺れ動く少年少女の心理を巧みに描いた名作
外洋型航宙可潜艦「リヴァイアス」に取り残された500名近くの少年少女達。
艦の指揮権や物資を巡る争い、幾度となく艦を攻撃してくる外敵、
そんな危機的状況下で揺れ動く少年少女の心理を巧みに描いた名作。全26話。
暴力描写、裏切り、狂気・・・人間の生々しい負の部分がストレートに描かれている。
終始重苦しい雰囲気で(特に後半)視聴していて心が折れそうになったり、
不快感を覚えたりすることも仕方がなく、決して万人に勧められる作品でないことは確かである。
だがキャラの心理描写が秀逸であり、自分は見ていてどんどん引き込まれてしまった。
この作品は主人公が危機敵状況を主人公補正で解決、というものではなく、
あくまで主人公は秀でた能力もない凡人であり、常に現状の是非や
自分のあり方について自問自答し続ける。そういうキャラであり、そういう作品。
だからこそ、もし自分が艦内で同じ状況に陥ったらどう動くか?何をすべきか?何ができるのか?
という事を深く考えさせられるのである。あなたならどうする?
凡人主人公が傷つき、悩み苦しんだ末に最終的に示した覚悟とその行動は、本当に感動的だった。
あと特筆すべきはOP。
曲の良さ(有坂美香の力強くも哀愁のあるボーカル)もさることながら、映像が何より素晴らしい。
キャラの何気ない仕草、表情、構図、全てが物語の展開を暗示している計算し尽くされた作り。
初期の段階ではピンと来なくとも、回を重ねるごとに本編とリンクしてきて鳥肌が立つ程。
視聴の際には、どうか飛ばさずに毎回見て欲しい。
不満点
・作画
キャラ作画が著しく崩壊してる回がある。
・声優の使い回し
四方八方乱れ飛ぶ保志総一朗、檜山修之、氷上恭子、南央美・・・
画面内に声を発するキャラが映ってないと本気で混乱するレベル。
本作のテーマは今でも十分通用すると思うので、上記の不満点を解消したリメイクを本気で望む。
・・・声優のギャラがとんでもないことになりそうだ。