ようす さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
その喫茶店に流れる時間は、ロボットという枠に縛られない心の交流。
『サカサマのパテマ』と同じ吉浦康裕監督による作品。
『サカサマのパテマ』が楽しめたので、
こちらも前から気になっていたのです。
(※制作されたのは『イヴの時間』の方が先。)
インターネット上で公開された全6話(1話あたり15分)に
新作エピソードを加えて制作された劇場版。
2時間ほどの作品です。
● ストーリー
「未来、たぶん日本。“ロボット”が実用化されて久しく、
“人間型ロボット”(アンドロイド)が実用化されて間もない時代。」
人間と区別がつかないほど精巧なアンドロイドと暮らす未来。
アンドロイドは人間の言うことに忠実に従う。
しかし、アンドロイドと人間が区別されない場所があった。
それは喫茶店”イヴの時間”。
『当店内では… 人間とロボットの区別をしません
ご来店の皆さまもご協力ください ルールを守って楽しいひと時を…』
ストーリーは見ごたえがあって、あっという間の2時間でした。
元々6話に分かれていたストーリーで構成されているので、
1つ1つのエピソードに見ごたえがあって満足です。
私は特にカトランのエピソードが印象強いです。
笑いもハラハラもあって楽しめたのですが、
人間のエゴをガーンとぶつけられたような衝撃には怖ささえ覚えました。
ただ、いろいろと不明瞭な部分が残ってしまったのが難点かな。
(例:潮月、謎の組織、倫理委員会の動きなど。)
2周目を観ればもう少し何かつかめる気もするのだけど…。
今後どのような物語を描き出すのか。
続編があるのかな?と思いたくなる終わり方でした。
● 感想
ロボットを人間と同類視することが
おかしいと思われる時代背景があります。
アンドロイドたちは無表情で主の言うことに従う。
いいように使われ、嘲笑われる姿は、
まるで憐れなピエロのようだと心が痛みました。
そんなアンドロイドたちが”イヴの時間”では
表情を取り戻し会話をする姿は、人間と何も変わりがなくて。
見た目は同じ。喜んだり悲しんだりする心もある。
それならば、ロボットと人間の違いって何なんだろう?と
考えてしまいます。
私はロボットに詳しくないし、好きでもありません。
まあ、興味がないのです(笑)
それでも、将来アンドロイドが日本中に…と思うと
ちょっとゾッとしてしまうなあ。
どこまでが”ロボット”でどこからが”人間”なのか。
こんなテーマで世界中が議論を交わす日は、
そう遠くないのかもしれません。
● 音楽
【 主題歌「I have a dream」/Kalafina 】
しっとりとした曲調の中に強い芯が感じられる曲。
この作品の主題歌としてぴったりだと思います。
● まとめ
私は
『イヴの時間=人もロボットも関係なく、自分らしく過ごせる時間』
と受け取りました。
ここまでいろいろと書きましたが、
この作品の主旨はもっと単純で
”あなたも一緒にイヴの時間を楽しみませんか?”と、
落ち着いたひと時を観ている人に味わってもらうことなのかもしれません。