LaCroix さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:今観てる
"本物"とは何か?
なぜこのキャラはこんなことを言うのか?こんな行動に出るのか?
比企谷君目線からだけではなく、それぞれのキャラの心情に立って考えてみると話の全体像が見えてくるとてもおもしろい作品だと思います。
1期では、全体の7割位が皮肉的なネガティブ思考強いツッコミやギャグなど、コメディ要素の強い部分が多かったのですが、2期ではそれを受け継ぎつつも各キャラの抱える悩みやお互いが与える影響で気づいたこと、大前提に思うことは同じことなのに方法の違いですれ違う気持ち、作画の表情と少し素直になって言えた言葉で動く恋愛描写など、いい意味で大逆転や急な展開がなくアニメらしくない部分が、何かを変えるだけで全てが変わるわけではない、でも、変わっていくし、変えていきたいと思う現実的な心情にリンクする部分があると思います。
理論的に考える人、感覚的に感じる人、常識や周囲のイメージを保とうとする人、虚勢を張る人、周囲に合わせる人、明るく振る舞う人、一人を好む人、いろいろなタイプの人達がそう評価される以外の感情を持っているし、イメージとは違う行動をとってしまう人の気持ちの複雑さをそれぞれの立場で正解だと思ったもので応えていくから、間違いを繰り返す。
その中で各人が描いた理想に近づこうとすること。
物語の根幹は少し哲学的ですが、観ている側にも考えさせられる命題です。
主題歌の「春擬き」の世界観と歌詞はアニメの内容にものすごく合致していて、内容の要約は主題歌!と言っても過言ではないくらいです。
歌中の作画も話が進むにつれて、最後のシーンに変化がある点も丁寧な作りだと思います。
表面的なもので捉えてしまうと内容や気持ちを理解出来ないままで終わってしまうと思いますが、人の気持ちについて多角的に考えるととてもおもしろい作品だと思います。
次回、第13話で2期ラストとなりますが、主人公・比企谷君の求める"本物"とは何か?が楽しみです。