ワタ さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
傑作回「勝者の条件!」について熱く語ってみる
今更誰かにお勧めするような作品でもないんで、細かなあらすじ等は省略し、
個人的に印象深かった特定のエピソードのみに絞って、思いの丈を吐き出してみようと思います。
無印から数えて通算100話目に当たる「勝者の条件!」は、ファンの間では語り草になってる名エピソード。
私自身、やはりこの話が一番だと思ってるし、それどころか全アニメの中で「神回ランキング」でも作ろうものなら
確実にTOP3には入るんじゃないかってぐらい好きなエピソードです。
レース終盤の烈とミハエルの壮絶なつばぜり合いだけで、もう十分熱くなれるっていうのに、
ファイター「きたー!!紅の閃光、ディオスパーダがここできたーー!!!!」
この、カルロの怒涛の追い上げからの大逆転劇!あまりの熱さに血管ブチ切れそうになりましたw
シチュエーション、ドラマ性、演出、声優の熱演、そのどれもが最高潮に達したもので、
これ程の”熱量”を感じられる場面は他のアニメでもそうそうないでしょう。
○勝利への執念、その根源たるもの
勝者の条件とは何か。自らのマシンへの向き合い方とか色々考えられますが、
要は「勝利への執念」が一番強かったのがカルロだった、ということでしょう。
精神論乙って感じですが、実力が拮抗した者同士では最後の決め手になるものだと思います。
では、カルロを突き動かす、その根源たるものは何なのか。
ここでカルロという人物について振り返ってみると、
彼は元々イタリアのスラム街で育った浮浪児で、路地裏のゴミ捨て場で残飯漁りをするなど、
あまりにも過酷な生活を強いられていた。
しかしミニ四駆との出会いが、彼の人生を一変させる。
今の自分があるのはミニ四駆のおかげ。マシンは自分の半身のようなもので、
マシンに人生を預けていると言っても過言ではない。
カルロを勝利へと突き動かすのは、犬の糞以下だったあの頃に戻ってたまるか!という切実な思いだろう。
実際レース中に、浮浪児だった過去の自分がフラッシュバックするシーンがあり、
彼のハングリー精神を呼び起こす契機になっている。
「この俺にもう一度あのゴミの生活に戻れというのか!?
俺はごめんだぜ・・・このレースに勝って最高の賞金と名誉を手に入れてみせる!」
最終的にミハエル、烈をも抜き去り、見事勝利を掴んだカルロ。
しかし皮肉なことに、これまでは勝つために相手マシンを破壊することも厭わなかったカルロが
不正なしの正々堂々の勝利の美酒を味わってしまったがために葛藤が生まれ、
「勝負は勝つことが全て、勝つためには手段を選ばない」という信念が揺らいだ結果、
翌日の最終レースでは早々に優勝戦線から脱落してしまうことになる。
レースは楽しんでこそと言う豪。
レースで勝つよりも大事なことがあると言う藤吉。
マシンを破壊すること自体が目的であるチームメイトとは違い、
あくまで勝つためにバトルレースをしてきたカルロだからこそ、彼らの言葉が響いたのだろう。
カルロの葛藤に非常に説得力がある一方で、あっさりと感化されてしまうミハエルの描写は不満。
「勝者の条件」にしても、急に自らのマシンは敵だと言い出すので違和感が凄い。キャラ変わりすぎ。
でも一番の不満は、カルロの大逆転シーンで流れるBGM、通称「烈のテーマアレンジ」が
サントラ未収録だということですねw 未収録のBGMも網羅したサントラの完全版出してくれないかなぁ。