血風連あにこれ支部 さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
陰謀! これは陰謀なんだ…! 俺が引きこもっているのも、すべて奴らの仕業なんだッ!
大学中退した引きこもりの男性の元に、岬ちゃんというカウンセリング少女が現れる。
基本、鬱々とした話です。どうしようもない、現実のふがいなさに打ちのめされるエピソードの連続で胸にキリキリ来ます。
その惨めさに、笑いも呆れもするでしょう。
視聴している側からすれば何やってるんだって感じでギャグとも見れるんですが、あえてこの作品は主人公を自己投影して見る事をお薦めします。
これは現実の、あまりのどうしようもなさに打ちのめされながらも、明日を夢見て足掻くための話なのだから…ッ!
特に素晴らしいのは15~16話。ネトゲ編のエピソードですね。これがすごく出来がいい。2話で簡単にまとめてしまうにはもったいないと思う程に。
SAOやオーバーロードなどのネトゲ閉じ込められ系は、今でこそ話のジャンルの一つとして成り立っているように思えますが、私にはどうしても抵抗があってそれらの話を受け入れられません。
何故なら、本質はこっちだからです。皆、閉じ込められ系じゃなくて、自分から閉じ込められに行って抜け出せなくなるんです。
一度ハマってしまうと、リアルを根こそぎ無駄にしてしまうなんてのはざらです。
10数時間、20時間プレイとかは当たり前で、終いには面倒臭くなってペットボトルに黄色いジュース(謎)を溜める事になりますね。
そのハマり具合をここぞというくらいに上手く表現していたと思います。
他にも見所はありますね。
山崎と二人で取りかかったギャルゲ製作、それを通して培ったせつない男の友情、{netabare}本人の意思に反して田舎に帰る事になった現実と、別れ際の「お前、負けたわけじゃないだろ!」{/netabare}って言葉は、涙ながらには見れませんでした。
GONZOの中でも特に好きな作品です。同時期の作品としてはギアスやハルヒ等に話題を取られてしまったと思いますが、それらにも決して劣っている出来だとは思いません。