oneandonly さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
透明な水、美しい海、純粋な愛。
世界観:7
ストーリー:8
リアリティ:7
キャラクター:8
情感:7
合計:37
海村に住む先島光は、それまで通っていた波路中学が廃校になったため、幼馴染の向井戸まなか、比良平ちさき、伊佐木要らと一緒に、地上にある美濱中学校に通うことに。
光の提案で全員波中の制服を着ていく約束をしていたが、まなかだけは「反感買っちゃうかも」と濱中の制服を着ていた。
それを見た光に怒られ、一度着替えに戻ったまなかだったが、皆の元に戻る途中、突如、頭上からふってきた網に捕らえられてしまう。
釣り上げられた彼女の目の前には、まなかを不思議そうに見つめる木原紡がいた——。
(公式HPより)
あにこれ及びキャッチしている方の評価が高かったので視聴しました。
1話を見たところでは、登場人物の目が大きすぎたり、波中の制服も可愛すぎたりで、何か苦手だなという印象で世界に入れず、2か月くらい放っていました。
しかし、見た目により1話で切っては判断を誤る可能性があることはまどマギで理解していたので、再開。一気に見終えることができました。
この作品は4話終了時には既にオール7点(35点=あにこれ評価4.2点相当)の評価となっていました。キャラクターデザインは結局あまり好きではないのですが、作画はとにかく美しいですし、登場人物の心情をしっかり、時にさり気なく効果的に描いています。良質なアニメは伝わってくるフィーリングが良いものですが、早期にそれを感じることができました。もし未視聴であれば見ることをおすすめできます。
中盤、{netabare}世界の終焉が語られ、海村の人々は冬眠に入り、主人公4人のうち3人が5年間成長しないという超展開があり、前半は完全な脇役だった美海とさゆが主人公と同じ年齢となりメインの人間関係に関わってくる仕掛け{/netabare}もこの作品を引き立たせていると思います。
音楽も全体的に良かったです。テーマソングは1クール目こそ目立ちませんが、2クール目のOPはかなり好きです。最後に傘をつかむ手はまなかだと思っていたら、実際そうだったのも嬉しかったですね^^あと、EDも聴いていたら1クールも2クールも良さが出てきました。
リアリティの面では、
{netabare}海の人間は塩水を必要としますが、べとつかないかなとか、匂わないかなとか、水の表現が綺麗すぎかなとか。
皆、告白しすぎじゃないかとか(一応、冬眠がトリガーとなっていますが)、恋愛に一途すぎじゃないかとか、人を好きになるというのは当たり前のようですが、皆が皆そこに比重を持っているものかとか。
登場人物の気持ちや考えが、世界にまで影響を与えることとか。
致命的なところはないですが、ストレスが全くないわけではなかったです。
少々疲れたのは、登場人物の動機のほとんどが「恋愛」で構成されていること。思春期のメインの動機としてはリアルですが、狭い登場人物の人間関係でそれをされてしまうと、あいのりじゃないですが、重たく感じる面がありました。恋愛に繋がらない思いにももっとフォーカスして描いてくれれば、より自分の好みだったでしょう。
しかし、この作品の純粋な愛を重く感じてしまうのは、自分が大人になってしまったゆえな気もします(若い頃に見たら、また違う印象を受けたかもしれません)。ノスタルジックな気持ちにもさせてくれる良作です。
{/netabare}