シャベール大佐 さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
平安時代の人と現代の人が同じゲームをしているって凄い
普通の小学生・進藤ヒカルが、祖父の家にあった古い碁盤に取り憑いていた平安時代の囲碁棋士・藤原佐為の霊と出会ったことをきっかけに囲碁の道に進み、宿命のライバル・塔矢アキラなど様々な人物と出会いながら成長していくお話。全75話。
囲碁のルールはわからないで観たのですが、ストーリー、キャラクターともに素晴らしくて、非常に面白かったです。
最強レベルの囲碁棋士・佐為の霊のおかげで、それまで囲碁のことを全く知らなかったヒカルが、いきなり途轍もない強さを発揮できる状態になるところから物語は始まりますが、そういった、いわば「チート」の強さで簡単に成り上がるのではなく、自分自身の力で強くなるために頑張っていくところが良かったです。また佐為というキャラクターの存在によっては、単に物語が動くというだけでなく、1000年の時を越えて現代にまで繋がる人々の囲碁への情熱であるとか、歴史のロマンのようなものも伝わってきます。
ライバルの塔矢アキラは、父が現役最強棋士という血筋、天才的な実力を持ちながらストイックな努力家でもあるというキャラ。「ガラスの仮面」の姫川亜弓的なカッコ良さがあって、個人的にはヒカルよりも好きでした。
主人公のヒカルは、物語開始時は外見も中身もまだまだ子供で、物語の進むにつれて心身ともに大きく成長していきますが、その過程が丁寧に描かれていて全く不自然さがなかったのは見事だと思います。
その他の脇役キャラたちも、特にプロの一流棋士などが、いかにも百戦錬磨の勝負師であったり、求道者的であったり、天然の天才っぽかったりと、非常に個性的で良かったです。
作画は最近のアニメの基準で見ると決して綺麗とは言えませんが、囲碁という派手な動きがない競技を、対局者の心理状態や気迫、局面の重要性や緊迫感などが伝わってくるように描けていたのは良かったです。またBGMも盛り上がりに貢献していました。
ちょっと古いアニメで、全75話と長いですが、とにかく面白いのでおすすめです。