シェリー さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.0
作画 : 2.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
タイトルなし
言ってしまえば、とくに何もない映画でした。「輝きの向こう側」?どこ?ってなっちゃう。
みんなデビューして仕事も順調にこなし、新たなステップを踏み出そうとしている仲間がいる中、
「アリーナライブ」が決まる。それがどの程度すごいものなのかわからないけど、とにかく一大イベントである。
そこで新たにバックダンサーを入れることになり、さらに内部で大きな変化が起こる。
大きなライブを目の前にして立ちふさがる困難に悩みながらも、勇気を出して向かっていく少女たちの姿のお話。
とは言ったものの、新しく周りから問題を放り込まなきゃならないようであるならば、作る意味もあんまりないんじゃないかと思う。
だってそれは、TVアニメシリーズでほとんど完結したことを言っているようなものだから。
それでもバックダンサーの子たちが新たなに入り、先輩という立場に立つことにパッとするようなことがあるかと言えば、ない。もしくはなかった。シリアスな展開も浅く、軽い。
アイドルとしての矜持を持って何か言おうとしているのだけど、まったく言葉がついてきていません。
だからどこかで聞いたことのある台詞ばかり、大まかに意味をつまんだ言い回しばかりを耳にします。
キャラクター性と雰囲気のゴリ押しとは言い過ぎだけれどそんな感じです。
120分もあって小指のささくれ程度の話であるのはがっかりです。
プロデューサーからの重大報告だけでよかった気がするな。それでねっとりとやってほしかったw
ずっと元気ハツラツにやってくれても良かったかも。いやそれはそれで疲れるかなあw
けどアイマスの一貫して僕が好きなところは充分にありました。
それはメンバーのみんながお互いに必ず見捨てないし、相手を蔑まないところです。
可奈が練習をサボって逃げても、「あいつはダメ」だとか「あんな奴要らねえよ」とかって簡単に言わない。
普通なら、怒鳴られて、殴られてを泣くまで繰り返されるんですが、そういうのも一切しませんよね。
実力世界でそれはどうなのかなとも思うけど、ミキや千早、また特に可奈を見ていて、
背中を向けて逃げるような、そういうすごく自堕落で弱い部分を自分にも認めざるを得なくなります。
そんなとき、何がやりたいとか根性とか関係なくタフでない人間なら、厳しく叱咤されてはもうそこで終わりです。
ぬるいというならそう言えばいい。事実そのことだって否定しきれません。
けど、ある面では孤独を抱える繊細な彼女らには、「理解される」ということが必要なんだと僕は思います。
それは安易な傷の舐め合いではなく、内なる告白の享受にあり、共に十字架を背負ってくれる人の信頼にある。
春香の余計なおせっかいに映る行為だからこそ、自分以外の誰かがわたしを信じてくれるからこそ、
変えられることがある。続けられることがある。
一生懸命に伸ばされた春香の手には、帰る場所と救いをみることができるのです。
そしてその手に実際に救われる人もいる。
どうですか、やっぱりぬるいですか?ゆとりですか?w
あと、個人的にはCGがすごく気持ち悪かったです。
合宿の休憩中、可奈がお菓子を落として春香と一緒に拾って話すシーンとその直後の曲でのダンスシーン、
そして最後のライブは本当に気持ちが悪かったです。冗談抜きで吐き気が…w
今のアニメがどれだけ人の手で作られているのかあんまり知らないけど、それ以外のシーンでは普通に人として
動いていた彼女らが急に人でないものになったように見え、その異質感に堪えられず直視できませんでした。
最期のライブシーンも描くのは大変なんでしょうね。
おそらくほとんどCGで作ってるだけあって会場はすっかすかで、物体が規則的に配列しているようにしか見えませんでした。
正直これは酷いなあ、と思わない以外どう感じればいいのだろう。
あまり良くないところもあるこの映画でしたが、合宿の風景はとても楽しそうでしたよ。
田舎の民宿の感じがとても良いです!ガラガラと音のする動きの悪そうな入口の引き戸に、
畳の部屋や夕食の風景は、ちょっと羨ましいなあなんて思っちゃいます。こういうのってほんと楽しいから!
誠の「このままずっと合宿してればいいのになあ」なんて言葉も非常に共感できます。
あんまり映画だからって期待して観ると肩透かしをくらうので、気楽な気持ちで観てみるのがいいかと思います。