「バカとテストと召喚獣にっ!(TVアニメ動画)」

総合得点
87.2
感想・評価
3167
棚に入れた
18287
ランキング
169
★★★★☆ 3.9 (3167)
物語
3.9
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.6
キャラ
4.1

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ネタバレ

OZ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

バカ全開のストーリー再び

1期の『バカとテストと召喚獣』が楽しめたので
引き続き観てみる事にした2011夏アニメ

■バカ全開のストーリー再び■
前作同様にただ観ているだけで楽しい気分になれる
相変わらず憎めないキャラクター達と賑やかな世界観で贈る
底抜けに明るい学園ラブコメ作品の第2期『バカとテストと召喚獣にっ!』

大まかな概要は1期とほぼ変らず
愛すべきバカ達は今作品でも健在。

一応ラブコメと銘打ってはあるものの
ドタバタコメディの印象が強い本シリーズ。
前作と比べてもっとも変化を感じたのは
ラブコメの"ラブ"色が強まってきた事だ。

中でもダブルヒロインの一人
島田 美波に関するエピソードは秀逸で
後に供述するが美波好きにはたまらない展開である。

一方で2期に入ってから気になった箇所もちらほら。

コメディ作品全般に共通する事だけれど
続けば続く程"ネタのマンネリ化"がしばし発生する点だ。

●秀吉の性別ネタ
●雄二と翔子の結婚ネタ
●瑞希の料理ネタ
●美波の暴力ネタ
●ムッツリーニの鼻血ネタ
●工藤さんの逆セクハラネタ
●久保君のBLネタ

上記は本シリーズにおける鉄板ネタであるのだが
同様のやりとりを1期やOVAで繰り返している為
「このネタよく使うな」と見慣れてきたせいもあってか
面白いものの若干マンネリ気味の印象は否めない。

1期で既にやり尽くした感のあるネタなので
キャラクター先行の作風なだけに
もう少しパターンやバリエーションを
増やしてもらいたかったものである。

加えて気になったのは召喚獣の存在。

タイトルから分かる通り
召喚獣を用いた試験召喚戦争が
本シリーズ独自の要素であったのに
今作品では召喚獣が"おまけ程度"の扱いになってしまっている。

本作品ならではの設定が徐々に薄れ
どことなく埋もれてしまったのは勿体無いの一言だ。

しかし『バカとテストと召喚獣』と言えば
期待したいのが高評価の続いたOPである。

今作品のOP「君+謎+私でJUMP!!」も良かったのだけれど
お気に入りなのはED「エウレカベイビー」の方。

作詞 畑 亜貴さん×作曲 前山田 健一さん×Vo 麻生 夏子さんと
こちらは1期OPと同じ組み合わせで
OVAのOPも麻生 夏子さんが歌っていた事もあり
彼女の歌声はもはや外せないくらい
本シリーズに定着していると言えるだろう。

前作に引き続きややパワーダウンしたものの
ノリと勢いで押し切ってくれたバカ全開の作品である。

■本作品の評価を上げた第8話■
賑やかな世界観が魅力の本シリーズで
1期から通して1番印象に残ったエピソードは何か?
その問いがあったならば
迷わず挙げたいのが良い意味でバカテスらしくなかった
第8話「ウチと日本と知らない言葉」だ。


物語はまだ美波がドイツにいた頃の記憶が新しい
日本に来て間もない1年前の文月学園へと舞台は遡る

入学したばかりの美波は
日本語をろくに話す事が出来ず
自分の名前を「美彼」とすら書いてしまう帰国子女

そんな彼女に向けられるのは
嘲笑うかの様なクラスメイトの冷ややかな視線

帰国子女である彼女は好奇の対象となり
あれやこれやと矢継ぎ早に
クラスメイトから質問攻めを受ける

しかし 日本語の分からない彼女は
静かにして欲しいと願うのだが
何て言ったら良いのか言葉が見つからず
満面の笑みを浮かべて「黙りなさい豚ども」と
間違って覚えてしまった日本語を口にしてしまうのだ

当然クラス内から浮いてしまい
孤立した日々を過ごす・・・と思われたのだが
たった一人話し掛けてくるクラスメイトがいた

そう 吉井 明久である

「ちゅうぬぶどれぱどぶにいるもなみ」
彼は笑顔で美波に話し掛けるものの
日本語はおろか呪文の様な謎の言葉なんて分かるはずもなく
てっきり馬鹿にされているものだと思い彼を拒絶する

だが 何度拒絶しても
笑顔で呪文の様な言葉を伝えてくる明久

日本に来た事を後悔する美波に
「あいつが言った事 調べてみろよ」と
ある時 雄二はさり気なく美波に告げた

明久の口にした謎の言葉を調べ始める美波

けれど日本語でもドイツ語でもない
「ちゅうぬぶどれぱどぶにいるもなみ」

やっぱり明久は
自分を馬鹿にしているものだと思い始めたその時
ある一つの単語が
両親とフランスへ旅行に出掛けた
幼い頃の記憶を呼び覚ますのである

「もなみ?(Mon Amie)」

『ちゅうぬぶどれぱどぶにいるもなみ』とは
フランス語で『Tu ne voudrais pas devenir mon amie?』

一つ また一つと単語を翻訳していく度
誤解という名の絡まった鎖は砕け散っていく

なんと明久はドイツ語とフランス語を
間違って美波に伝えていたのだ

フランス語に訳された言葉を更に英語に訳すと
『Could you become my friend?』

どれだけ拒絶されても決して笑顔を絶やさない
明久が伝えたかった言葉は

『私と友達になってくれませんか?』

呪文の様な謎の言葉の意味を全て理解したその時
彼女の瞳から頬を伝って涙が零れ落ちていった

慣れない異国の地で
言葉も理解出来ず 友達も出来ず
一人ぼっちで孤独の闇にいた美波

抱えていた不安は相当なものだっただろう

明久は正真正銘のバカであるが
ただのバカではなく
孤独の闇にいる美波に手を差し伸べ
光を照らす事の出来る優しいバカだったのだ。

この一連の流れを経て
バラバラだったパズルのラストピースがハマった瞬間
美波と同じく観ていて涙が零れてしまった。

1期から通して観ると
何故 美波が明久を一途に想い続けるのか?
その気持ちを裏付けする
素晴らしいエピソードであったと同時に
演出 構成共に光った
ベタ褒めしたい見事な回である。

■あとがき■
1期→OVAと観てきて
やや新鮮味は薄れてきましたが
改めてバカテスの世界観は好きだ!と
再確認されられる全13話でした。

やっぱり第8話の印象が大きいかな。

生粋のバカである明久だけれど
その裏側にある優しさが本当に格好良かったです。
美波が惚れるのも分かるよ。

っていうかバカテスで涙を流す事になるとは
全く想像がつかなかったな。
第8話だけに限ればトップクラスの構成と演出で
あの回がもしも無かったのなら
ちょっと評価は下がっていたかもしれない。

しかし2期は美波の可愛さが引き立っていたね。
第10話で明久の心の内を知った後
妹の葉月に顔を赤らめながら
「お姉ちゃんね もうどうしようもなく人を好きになっちゃったかも・・・」
そう話す場面は反則的な可愛さだったよ。

3期を望みたいところなのだけれど
1期の円盤売り上げに比べ
2期は約半分程度に留まってしまっているので
続編はおそらく厳しそうなのが寂しいところ。

でも また何時の日か相変わらずなこの世界で
愛すべきバカ達と再会出来る事を願いつつ
感想を終わりにさせて頂きたいと思います。

満足度 ★★★★★★★☆☆☆ (7)

投稿 : 2015/06/17
閲覧 : 409
サンキュー:

42

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