アリア社長 さんの感想・評価

3.8
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

愛する者同士の死闘、悲劇を描いた良作（でもオススメ出来ない理由あり）

【概要】
月刊少年エースで連載されたホラーバトル漫画『喰霊』の過去話をアニメ化。
漫画本編では深く描かれなかった登場人物の過去話を詳細に描いている。
なお本編そのものはアニメ化されていない。
キャッチコピーは、「愛するものを、愛を信じて殺せるか」。
監督は『Fate/Zero』『アルドノア・ゼロ』の「あおきえい」さん。

【あらすじ】
悪霊が起こす霊的現象を解決する機密機関に所属する主人公の女子高生・土宮 神楽（つちみや かぐら）の目の前に、突如として同じ機関に所属し、姉のように慕っていた人物・諫山 黄泉（いさやま よみ）が敵として立ちふさがる。
一体彼女に何があったのか？
2人の出会い、交流、そして死闘を描いた物語。

【感想】
切ない・・・
どうしてこうなってしまったのか、こうなる前になんとか出来なかったのかと、ついつい考えてしまう作品。
神楽と黄泉の敵対を最初に見せた後に、時を遡り2人の交流を描くストーリー構成が効果的で憎いです。

戦闘シーンは迫力満点。
ただ戦闘中セーラー服のスカートが短く、太ももばっか見てたのは内緒。

OPの「Paradise Lost」がカッコよくて好きです。
そしてアニメを全編見た後にもう一度OP映像を見るとウルっと来ました。

全体的に完成度の高い作品。

【オススメ出来ない理由】
概要にも書いたように、このアニメは本編である漫画の過去話であり、漫画と繋がる形で終わります。
しかしこのアニメと本編の漫画では作風が違いすぎるんです。
このアニメはシリアス色強めのダークな作風。
一方で本編の漫画はコメディ色強めの少年漫画らしい作風。

真逆と言っていいかもしれません。
このアニメを好きになり、続きである本編の漫画にも手を出した人は、あまりの作風の違いに面くらうと思います。
好みは人それぞれですが、アニメと同じような面白さを期待して本編の漫画にも手を出した私は、正直肩透かしを喰らいました。

このアニメが本編である漫画の過去話という立ち位置であり、加えてこのアニメに登場する黒幕に関しては、本編の漫画にて解決がなされるという本編との強い結びつきを考慮すると、本編と全く作風の異なるこのアニメは、面白いけどオススメしづらい作品です。