血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

現代ホラーの傑作、綾波系キャラが好きなら是非

何かいいホラーアニメない？と言われると、自分は迷わずこれを推すと思います。
原作は既読済み。作画はいい、グロ描写等もあり、耐性がない方にはつらいでしょうが、雰囲気は抜群でキャラもいい。
特に前半の仕掛けはキャラが重要なアニメにおいて、仕掛けが判明すると同時にキャラの魅力が上がる仕組みにもなってて凄いなと思いました。
こういう作品は滅多にないだけに、初見では目から鱗でした。
その後、主人公は鳴と{netabare}二人だけの孤独の世界{/netabare}に入り浸れるわけですが、これがシチュエーション萌にもなってて堪りませんでした。何回爆発しろと思ったことか（マテ

最後あたり、やや雑になってしまった印象があります。
水島監督は、Blood-Cでもグロ展開やってたような…あの人は悪乗りするとダメになるような気がしますね。
まあ監督の趣味は置いといて、総合的にかなりおすすめのアニメだと思います。
本音を言うと小説のほうがいいですね。完成度も高いし。
ただ、キャラの魅力はアニメのほうが非常に上手く描けてたので一長一短というイメージもあります。
トリックとして作品の構造部分を楽しみたいなら小説、キャラの魅力を楽しみたいならアニメ。その中間が漫画って所でしょうか。どれも出来はいいので、好みに応じて選ぶといいと思います。

{netabare}それで、仕掛けですが…。
トリック自体は、架空の声優とかも作り出して色々工夫していましたが、最後の仕掛けは、そこまで映えなかった印象でした。
三神＝玲子を視覚的にわかりやすくすると映像的に丸わかりで陳腐になるし、かといって容姿が違うとミステリ的にはアンフェアになってしまう。
容姿でわかりにくくしたのは、「現象による改竄」という解釈もできるのですがこれはちょっと卑怯な感じもします。
脚本の完成度は非常に高いのですが、この部分が気になってどうしても最高！という評価は出来ない所です。
九官鳥の「レーちゃん、ドーシテ？」とか、「三神先生も難しい立場でありながら協力を」とか、伏線は巧みに張られていていいんですがね…。
やはりアニメに叙述トリックは無理があったのかもしえません。…挑戦的試みは評価できますけどね。{/netabare}