cross さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
外伝の位置づけにも関わらず、単独の作品としての魅力あり!!【総合評価:82点】
2009年秋から2010年冬にかけ、全24話で放送され、OVAも1話発表されている作品。
とある魔術の禁書目録の外伝、学園都市7人のレベル5の第3位「超電磁砲(レールガン)」の異名を持つ御坂美琴を主人公に据えた作品です。
この作品では、魔術に関しては一切触れず、科学サイドの話のみで進行します。
禁書目録に比べると、日常を描いた話が大半を占めている、どちらかと言えばファンへのサービス心を随所に感じました。
ですが、日常系のみに終始するのでは無く、2つの大きな事件もしっかりと組み込まれていて、日常系でもしっかりその事件への伏線を張っていて、単一の作品として視聴しても十分見ごたえはあります。
この作品で起きる2つの大きな事件、原作でも描かれる幻想御手(レベルアッパー)とアニメのオリジナルとなる乱雑開放(ポルターガイスト)
個人的には、原作通りの絶対能力進化(レベル6シフト)実験編の映像化も期待してはいましたが……
まぁ、この事件は既に放送された禁書目録との絡みもありますし、現実問題難しかったのは理解できます。
そして、この辺りは基本的に重苦しい物語ですので、明るい日常を描いてきた中での温度差が急激に出るというのもありますし……
ですが、アニメオリジナルの乱雑開放(ポルターガイスト)は、幻想御手(レベルアッパー)の事件と巧くリンクさせて物語を作っていた為、非常に完成度としては高かったように感じます。
逆に25話で纏めるにあたっては、原作通りの展開に持っていくよりも遥かに作品としての締めが成せています。
そして、この作品は「才能のある人間」と「才能の無い人間」の考え方や捉え方の違いが1つの大きなテーマとして描かれて思います。
そして、努力の賜物ではありますが、レベル5、つまりは「才能のある人間」とされる美琴が、「才能の無い人間」の考え方に触れ、最初はその思考を卑屈、努力をしない人の言い訳、等とどちらかと言えば否定的な考えでした。
しかし、大きな事件を通し「才能の無い人間」の考えに対し、自分の考え方は寧ろ思いやりの無い一方的な意見でしかないのではと言う考えを抱いていきます。
作品としての「才能」は超能力を指しての事ではありますが、現実世界でも十分に通じる点のある深いテーマだったと思います。
何だかんだと言葉を並べましたが、最終的に総括しますと……
日常系の話もコミカルに描かれていて、日常系に飽きる頃合にしっかりとした事件を持ってくる構成
そして、根幹にとても深いテーマが据えられ、物語としてのまとめも成されている、外伝であるにも関わらず完成度は抜群だと思います。
世界観の把握にある程度、禁書目録も見て置くべきなのでしょうが、超電磁砲のみで視聴しても面白さは感じられると思います。
実を言いますと、自分も超電磁砲の方から視聴した口です
是非とも、視聴してみて下さい。