yapix 塩麹塩美 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:今観てる
週刊 銀河英雄伝説 復刊!第20号
復刊のご挨拶
年の瀬も押し迫ってまいりましたが、如何お過ごしでしょうか。
さて、皆様への御約束通りここに「週刊 銀河英雄伝説」の復刊を宣言いたします!(一週遅れてしまいましたが)
まだ折り返しにも到達しておりませんが、今後もより一層気を引き締めて刊行を続けていく所存であります。
今後とも何卒ご愛顧のほどをお願い申し上げまして、挨拶に代えさせて頂きます。
平成27年12月20日 ヤピゴスティーニ代表 やっぴー
休刊のお詫びと挨拶
{netabare}いつも「週刊 銀河英雄伝説」を購読していただいてありがとうございます。
そんな皆様にこんなお知らせをしなければならないことを残念に思います。
詳細は私のプロフを参照していただくとして、今後の再開予定について述べさせていただきたいと思います。
な、なんと!本年11月4日よりファミリー劇場において「銀河英雄伝説(本伝)」の再放送が始まるのでございます。
月~木に各日2話ずつ放送するそうなので、おそらく、12月中には39話まで追いつくのではないかと推測されます。
そういうわけですので、今年中には我が「週刊 銀河英雄伝説」を再開することができる見込みでございます。
しばらくのお別れとなりますが、また会える日まで、皆さまご自愛なさいまして、健やかにお過ごしください。
ヤピゴスティーニ代表 やっぴー
{/netabare}
創刊の挨拶
{netabare}この度は「週刊 銀河英雄伝説」創刊号をお手に取っていただき、誠にありがとうございます。
本マガジンは、全55号を予定しております。
各マガジンには2話分のレビューを掲載し、
週に一度のペースで刊行する予定となっております。
もはや改めてここで申し上げる必要などないと存じますが、
銀河英雄伝説についてご紹介をさせていただきます。
田中芳樹原作のスペースオペラをほぼ忠実にアニメ化した作品であり、
全110話(本伝)に及ぶ大作であります。
この大作を攻略するにあたり、
どうすれば最後まで視聴することができるか?
との視点で愚考を重ねた結果たどり着いたのが、
週に2話のこのマガジン形式であります。
55号と1年を超える長きにわたるお付き合いとなります。
途中至らない点も多々あると思いますが、
何卒広い心で見守っていただけるようお願い申し上げます。
ヤピゴスティーニ代表 やっぴー{/netabare}
第一話「永遠の夜の中で」
{netabare}実質的にアスターテ会戦前半。
絵もキャラデザも古さは否めない。
そこは目をつぶろう。
それを言い出したら視聴できなくなる。
そこで、私の銀河英雄伝説歴について語ろう。
原作は5回は通読しているはず。
アニメ版は何度か視聴を試みて断念している。
もちろん魔術師ヤン・ウェンリー派であった。
SFというよりは戦記物と捉えるべき作品であろう。
私としても、三国志を読むのと似た感触で読んでいたような記憶がある。
友人の中には「未来の話なのに帝国で専制君主制なんて・・・」と受け付けない人間もいた。
専制君主制・・・いつ復活してもおかしくないと思いますがねw{/netabare}
第二話「アスターテ会戦」
{netabare}ヤン・ウェンリーの面目躍如。
彼の出世の決定的な要因となる。
敗戦ゆえに英雄が必要・・・とはいつの世も変わらぬもの。
負けても大勝利の同盟政府には大衆衆愚政治の臭いがプンプンです。
流石に全110話。
話の進みが遅いです。
ら、来週も頑張るぞ!{/netabare}
第三話「第十三艦隊誕生」
{netabare}自由惑星同盟の国歌・・・
わざわざ作曲したんでしょうね。
歌詞は何語だったんでしょう?
それにしてもマーラー多用されてますね。
憂国騎士団恐すぎw
やる事も過激すぎ!
女でも殴っちゃうんですか!
第十三艦隊誕生っということで、
イゼルローン要塞攻略前夜ってとこですかね。{/netabare}
第四話「帝国の残照」
{netabare}「ジーク、弟と仲良くしてやってね。」
ジークフリード・キルヒアイスの運命はこの一言で決まってしまった。
ラインハルトへの友情が偽りだとは言わない。
しかし、髪を撫でられながら聞いたアンネローゼの言葉は、
彼にとって、
女神の神託にも等しいものであった。
ラインハルトのシスコンぶりも尋常ではないが、
キルヒアイスの一途さもこれまた尋常ではない。
これは、もはや、愛をこえている?
これは、もはや、信仰?{/netabare}
第五話「カストロプ動乱」
{netabare}古代ギリシャ風?
古代ギリシャは西洋文明のいわば理想だが、
現代のギリシャは完全にヨーロッパのお荷物・・・
どうなる?EU。
デフォルトしちゃうの?
・・・話が逸れた。
キルヒアイスはローエングラム伯の腰巾着ではない。
ということをラインハルトとアンネローゼ以外の人間に知らしめた一件。
キルヒアイスの胸中がどうであれ、
権力を持つ者は勝手な思惑を抱く。
彼には他の選択肢はありえないのだが・・・{/netabare}
第六話「薔薇の騎士」
{netabare}帝国側(ラインハルト)と同盟側(ヤン)を交互に描く、
というのがこの作品の基本的な流れなんだけど、
ラインハルト → 堅苦しい
ヤン → 気楽
って印象を受ける。
これは中心人物のキャラクターに負うところが大きい。
ヤンの気負わない性格、
少なくとも気負っていないように見せかける態度が、
なんとなしに温かみのある集団を形成しているように感じられる。
それはそうと、
いよいよイゼルローン要塞の攻略戦。
戦(いくさ)と言っていいのかどうか・・・
どんな素晴らしいハードもそれを扱う人間しだい・・・
いつの世も変わらぬ真実ですね。{/netabare}
第七話「イゼルローン攻略!」
{netabare}イゼルローン要塞攻略戦の目的とは、
自明のことかもしれないが、
イゼルローン要塞を奪取することである。
つまり、攻略戦後も要塞として機能するように占領することである。
だから、シェーンコップは白兵戦に訴えてまで制圧する必要があった。
もし、攻略戦の目的がイゼルローン要塞の破壊若しくは無力化であったならば、
もっと手っ取り早い方法を採ることもできた(中枢施設の破壊など)。
仮に、もし仮に、イゼルローン要塞を破壊していれば、
その後の情勢はどうなったであろうか?
ヤンは、同盟の政治家の野心を見誤った。
味方の血を一滴も流さずにイゼルローンを攻略したことにより蔓延した高揚感、
その力を過小評価していたのかもしれない。{/netabare}
第八話「冷徹なる義眼」
{netabare}ラインハルト陣営において影の部分を一身に背負う男オーベルシュタイン(影ならロイエンタールにもあるか・・・ならば、闇?)。
ラインハルトとキルヒアイスが二人の内に秘めてきた野望、
夢物語に過ぎなかったその野望が、
いよいよ手の届くところまで近づいてきたその時に、
野望の成就に必要な最後のピースとして陣営に加わった男、
それがオーベルシュタイン。
いや、必要性なら・・・不可欠ではなかった。
おそらく、オーベルシュタインがいなくても野望は成就した。
少し遠回りをし、少し余計に血が流れたかもしれないが。
彼は、そこへの最短ルートを突き進むために必要なピースだったのだ。
汚れ仕事をできる人間は必要である。
だが、進んで汚れ仕事を作るような人間は必要なのだろうか?{/netabare}
第九話「クロプシュトック事件」
{netabare}陰謀渦巻く帝国の中枢と
その中枢に巣くうモノ達による華やかな宴。
華やかな宴は一瞬にして地獄絵図と化す。
戦場で行われない戦い、
それこそがラインハルトに立塞がる大きな壁なのかもしれない。{/netabare}
第十話「ジェシカの戦い」
{netabare}ヤン・・・ファーストクラスにぐらい乗せてもらえよ。
ダンスができるとモテるというのは真説なのだろうか?
甘酸っぱい思い出・・・
もしかしたら・・・
あるいは・・・
違っていたかもしれない未来。
その積み重ねが人生なのかもしれない。{/netabare}
第十一話「女優退場」
{netabare}愛憎と陰謀が複雑に絡み合う帝国の宮廷。
人の心は移ろいやすい。
ましてや皇帝の寵愛の行方など・・・
一度口にした栄光の味は忘れがたく、
それを一時の夢と諦めるには後味が強すぎる。
さらば儚い夢よ・・・{/netabare}
第十二話「帝国領進攻」
{netabare}民主主義の自己矛盾。
民主主義という崇高な理念も運用次第である。
民主主義は万能の政治体制ではない。
むしろ欠陥だらけの政治体制である。
ほんの少し気を緩めれば、
アテネ以来の衆愚政治へと堕する。
信仰は神にのみ捧げればよい。
人の手になる思想を信仰してはならない。
思想は信仰の対象となった時から衰退への道をゆく。
それは考え、疑い、検証し続けねばならないものである。
所詮、人が作り出したものなのだから。{/netabare}
第十三話「愁雨来たりなば・・・」
{netabare}最も合理的・効率的な方法が最善手?
それは、時として最も冷酷な策と成り得る。
頭ではその合理性・効率性を認めながらも
情のほうでは割り切れていない。
ラインハルトの冷徹な理性の象徴がオーベルシュタインならば、
ラインハルトの優しい心根の象徴がキルヒアイスなのかもしれない。
机上では簡単に思える作戦も
現地で実行にあたる者にとっては容易なものではない。
それをそつなくやってのけたケスラーもまた有能な指揮官である。{/netabare}
第十四話「辺境の解放」
{netabare}解放軍・・・
なんと甘美な響きであろうか。
餓えの前にはどんな思想も理想も無力である。
ラインハルト達がワイングラスを割るシーン、
これが、あの有名な!
えっ?
白ワインなの?
てっきり赤ワインだと思ってたよ・・・{/netabare}
第十五話「アムリッツァ星域会戦」
{netabare}大規模な艦隊戦・・・テンション上がるわ~。
惜しくらむは平面的なところであろうか。
せっかくの宇宙空間での艦隊戦なのだ、
もう少し立体的に描かれてもいいのではないか。
戦闘艇(ワルキューレ及びスパルタニアン)の動きは流石に立体的であったが。
旗艦における戦術モニターも2次元で表現されており、
ここも何とか3次元的な表現にできなかったものかと。{/netabare}
第十六話「新たなる潮流」
{netabare}画竜点睛を欠く・・・
まさに最後の点を打つその瞬間を邪魔される。
そんな思いであろう。
オーベルシュタインはシステムに拘り過ぎる。
如何にラインハルトと言えども一人の人間である。
本当に腹を割って話せる相手、文字通り「腹心」も必要である。
他の誰に、怒れるラインハルトを諌めることができようか。
流れを速める歴史の潮流。
その流れは何をどこへ運ぶのだろうか?{/netabare}
第十七話「嵐の前」
{netabare}おお!これが「3次元チェス」!!
う~ん、2次元チェス盤が縦に3層になっている?
上・中・下に駒がある・・・たぶんそれぞれの層間で移動可能なのかな?
ヤンはつくづく戦略家だな。
相手の意図、味方の対応、全て見通したうえで・・・何もできない。
ヤンとキルヒアイスの邂逅!・・・邂逅ではなく、宿命?
ああ、ラインハルトとヤンが味方同士であったなら・・・
このような叙事詩は生まれなかった。{/netabare}
第十八話「リップシュタットの密約」
{netabare}ヒルダ登場。
なんと理解のある父親・・・かつ、当主。
ラインハルトの人となりを読み切ったうえでの率直な物言い?
本当に大胆な女だ。
そんなヒルダにラインハルトは人として興味を抱いた。
電光石火の首都制圧劇。
この内乱は、ラインハルトの栄達を速めただけであった。{/netabare}
第十九話「ヤン艦隊出動」
{netabare}完全にラインハルトの掌の上。
完全にヤンの予見した通りに。
シェーンコップの扇動をのらりくらりと躱すヤン。
ヤンは知っている。
シェーンコップの指摘は正鵠を射ていることを。
自分にはその全てを実現する能力が備わっていることを。
ただ彼はそんなことを「やりたくない」のだ。
社会の幸福と自分の幸福、
選べるとしたらどちらを選べばいいだろう?{/netabare}
第二十話「流血の宇宙」
{netabare}メルカッツ提督も大変ですな。
外の敵と戦う前に内の敵を黙らせないといけないとは。
オフレッサー上級大将、個人の武力も侮れませんな。
それ以上に侮れないのが、オーベルシュタイン。
疑心暗鬼を煽らせたら天下一品。
おそらく、オーベルシュタインのために割かれた一話であろう。
彼の凄さは映像では伝わりにくい。{/netabare}
第二十一話「ドーリア星域会戦、そして・・・」
{netabare}指揮官の演説を対比させておいて、戦闘開始。
ベートーベン交響曲7番第三楽章の軽妙なリズムに乗せて繰り広げられる艦隊戦。
凝り固まった信念に殉じるための玉砕。
無慈悲な理想は生贄の血を求め続ける。
崩壊への坂を転げ始めた救国軍事会議。
手懐けたいなら「パンとサーカス」を与え続けること、
暴力で抑えたいなら徹底的に恐怖を植え付けること、
どちらも出来ないのなら、
こうなるしかない。{/netabare}
第二十二話「勇気と忠誠」
{netabare}ラインハルトに比肩する戦略眼・用兵術、
ラインハルトを上回る平常心・包容力、
ラインハルトに遠く及ばない野心と求心力、
そんなキルヒアイスの全てが描画されるガルミッシュ攻略戦。
手玉に取られるブラウンシュバイク公。
もとより能力において遠く及ばないのは言うに及ばず、
その能力不足を補うための人材、メルカッツを使いこなすこともできない。
戦いの趨勢は決した。{/netabare}
第二十三話「黄金樹は倒れた」
{netabare}オーベルシュタインの策は・・・
最も鮮やかで最も効果的な喧伝効果をもたらし・・・
戦役の終結を早めることに貢献した・・・
オーベルシュタインはラインハルトを試している。
ラインハルトは自分が理想とする君主たりえるのか?
無辜の人々の屍の上に帝国を築く覚悟があるのか?
メルカッツの矜持・・・
ゴールデンバウムに殉じる機会を失ったが、
それがヤン・ウェンリーとの邂逅を生むというのなら・・・
醜く死んだブラウンシュバイク、
しかし、彼の部下の執念たるや・・・ {/netabare}
第二十四話「誰がための勝利」
{netabare}ヤン・ウェンリーの見事すぎる手腕。
アルテミスの首飾りの有用性を完全否定するかのような破壊ぶり。
これじゃ「アルテミスの首飾り」がどう凄いのか全然わからないよw
それに引き替え、フレデリカへの不器用な振る舞い。
上司と部下の一線を越えてやればいいのに・・・
でも、そこがいいのか。
イゼルローンを無力化する最善手、
それに気づきながら、やはり、手を打てないヤン。
彼はそれに対応できる立場にないのだから。 {/netabare}
第二十五話「運命の前日」
{netabare}上官と部下という形式を装った親友としての関係は終わってしまった。
元親友という過去のある上官と部下の関係がこれから始まる。
組織にNO.2は必要ない。
必要がなければいいんだけどね・・・
NO.2がいない組織・・・後継者候補が並び立つ組織・・・
NO.1が倒れたらどうする?
ああ、銃を預けたらアカンて・・・
あの日のことを思い出したらアカンて・・・
過ぎ去りし美しき思い出に浸ったらアカンて・・・
・・・ほら、運命がそこに。{/netabare}
第二十六話「さらば、遠き日」
{netabare}人一人の命は、200万の人民の命より重い。
200万の人命を尊い犠牲と断じることが出来ても、
キルヒアイス一人の死を受け入れることができない。
それが、人の性(さが)である。
見逃してはいけない。
アンスバッハの凶弾に即座に対応できたのは唯二人、
アンスバッハに向かっていったキルヒアイスと
ラインハルトの盾になろうとしたオーベルシュタイン。
水と油のような二人だが、
ラインハルトの希少性を認識しているのも二人のみ。
一人は親友として、女神にたてた宣誓を全うすべき存在として、
一人は主君として、自身の理想を実現できる唯一絶対の存在として。
キルヒアイスを失ってなお飛び続けねばならないラインハルト。
誰のために、どこへ向かって飛ぼうというのか?{/netabare}
第二十七話「初陣」
{netabare}OP変更
新体制となった帝国。
ラインハルトの下着々と進む改革。
相も変わらずの同盟。
最前線から古参兵を引き抜き新兵を充てる体たらく。
そんな中起きてしまった遭遇戦。
どうにかこうにか味方の損害を最小限にとどめることができたアッテンボロー。
唯一の明るいニュースはユリアン・ミンツの生還とその華々しい戦果。
彼は知ることとなった、一兵卒として戦闘に参加したことによって。
戦争の最前線で散る多くの命を。
一隻の艦艇の損失は、数千の人命の損失であるということを。
EDも変更。{/netabare}
第二十八話「肖像」
{netabare}明かされる疾風ウォルフの半生
運命の女性との出会い
ロイエンタールとの邂逅
運命の女と結ばれるという幸福
子宝に恵まれないという小さな小さな棘
語られる金銀妖瞳ロイエンタールの過去
親友にのみ伝えられた不幸な生い立ち
それ故なのか繰り返される漁色行為
暗躍するフェザーン
再び動き出した銀河の歴史
立止ること自らに許さないランハルトの下
加速度的に増していく歴史の奔流が全てを押し流してゆく{/netabare}
第二十九話「細い一本の糸」
{netabare}地球教。
フェザーン。
同盟の首脳陣。
ゴールデンバウムの残存勢力。
それぞれの思惑が錯綜する銀河。
ヤンとの出会い、
日々の家事、
自分自身の昇進、
ユリアンの充実した生活。
束の間の安寧に身を委ねる銀河。{/netabare}
第三十話「失われたもの」
{netabare}失われて初めてわかる、
そのものの質量。
ラインハルトはあまりに苛烈に眩く煌めく。
常人には見ることすらできない程に。
彼を仰ぎ見ることができるのはほんの一握りの特別な目を持った者だけである。
その輝きを優しく和らげることができたのは、
キルヒアイスだけであった。
ラインハルトは孤高の存在となった。
オーベルシュタインが望んだように。
だが、あまりに苛烈に光り輝くが故に、
誰も近づけない存在になってしまった。
オーベルシュタインのような盲いた人間を除いて。
渇きを癒すため、
冷えた心を暖めるため、
彼は戦い続ける。{/netabare}
第三十一話「査問会」
{netabare}冴えわたるヤンの洞察力。
あれだけの材料からかくも見事に見通すとは。
あくまで可能性としての言及とはいえ、
フェザーンの後ろいる闇の蠢動をさえ捉えるとは。
しかし、悲しいかな。
彼にはその可能性に備えるすべがない。
査問会・・・
時間の空費の絵巻物。
ヤンよ、嘆くなかれ。
もうすぐガイエスブルグ要塞が君を迎えに来るのだから。{/netabare}
第三十二話「武器なき戦い」
{netabare}出し損ねた辞表。
もう出す機会のない辞表。
沈みかけの船の上で繰り広げれる喜劇。
あまりの滑稽さに悲壮感さえ漂う。
この船は、もう修復不能な穴が開いている。
誰もがうすうす感ずいている。
でも、もう舞台から降りるには遅すぎる。
船が沈むその時まで狂った喜劇の舞台は続く。{/netabare}
第三十三話「要塞 対 要塞」
{netabare}後手に回るイゼルローン。
それでも持ちこたえるイゼルローン。
対症療法は延命にはなるが根治は難しい。
だが延命で良いのだ。
ヤンという特効薬が届くまで生き長らえればいいのだ。
やはり、ケンプは器ではなかった。
疾風ウォルフや金銀妖瞳に比肩するほどの器ではなかった。
彼は、功を焦り過ぎた。{/netabare}
第三十四話「帰還」
{netabare}戦略目的は・・・
イゼルローン回廊の掌握であって、
イゼルローン要塞の奪取ではない。
そうであれば、採るべき手段は・・・
二人の天才は最初からそのことを解っていた。
ユリアンの軍事的才能の初めての開花。
生まれ持っての才能と英才教育のなせる業か。
ミューラーの演説にこそ指揮官の武人の責任感をみた!{/netabare}
第三十五話「決意と野心と」
{netabare}未だ、彼が心を許せるのはキルヒアイスのみ。
死してなお、
いや、
死したからこそ、ラインハルトの拠るべき絶対的な指針となり得た。
この世でラインハルト・フォン・ローエングラムを
人ととして、一人の若者として心配しているのは、
アンネローゼとヒルダのみ。
アンネローゼがキルヒアイスの死と共に隠遁してしまった今、
彼の傍で彼の為に動いてやれる人物はヒルダだけである。
愛?
広い意味での愛であろう。
互いに互いの能力・見識に敬意を払い、
得難い話し相手として尊敬し合っている。
そんな関係を「愛」と呼んでいいなら、
愛し合っているとさえ言っても良いであろう。
ペンは剣よりも強し。
時間のレンジを数百年・数千年の単位で捉えるならば、
そうであろう。
しかし、時間のレンジを数時間・数日の単位で捉えるならば、
糞の役にも立たん!
今ここにある困難を打破するには、
剣を持たねばならないことも覚悟する必要がある。{/netabare}
第三十六話「雷鳴」
{netabare}蠢動する陰謀。
放っておいても勝手に進む歴史の流れを
無理に最短ルートへと流れを歪ます行為に過ぎない。
しかし、歪もうが歪まなかろうが、水が低きに流れるは必定。
必定の流れに堂々と乗るラインハルト。
彼の前では小賢しい策など何の意味も持たぬ。
ヒルダのラインハルトを思いやる心によって
冷え固まった心をようやく融解させたアンネローゼ。
彼女もまた、自分を責めていたのだ。{/netabare}
第三十七話「幼帝誘拐」
{netabare}オーベルシュタイン・・・
細かいところまで調べ上げてある。
次の次の次の打ち手まで考慮しているのだろう。
信賞必罰は秩序維持の要であるが・・・
起こるべくして起こった事件の責任を負わねばならないとは。
敵だけではなく、味方の血をも流さずにはおかないそのやり方。
ラインハルトが生き急ぐのはわかる。
だが、オーベルシュタインはなぜそこまで性急なのか?
なにが彼を駆り立てるのだろう?{/netabare}
第三十八話「矢は放たれた」
{netabare}相変わらず冴えわたるヤンの洞察。
相変わらずヤンを焚き付けるシェーンコップ。
守護神としてその存在を絶対視されるイゼルローン要塞。
この要塞がある限り、領内に侵攻されることはない!
との信仰の対象とさえなっている。
・・・本当にそうなのか?
ヤンは気付いている。
イゼルローン要塞を無力化する方法に。
だが、それを阻止する手立てを持たないヤンにとっては、
その暗澹たる未来図が実現されないことを望むよりほかはない。{/netabare}
第三十九話「ひとつの旅立ち」
{netabare}ヤンの薫陶を受けるユリアン。
というよりユリアンに薫陶を与えることに喜びを見出すヤン。
いや、ヤンだけではない。
ポプランが、シェーンコップが、アッテンボローが、果てはムライまでがユリアンに薫陶を与えたがっている。
ムライが言うように、これはユリアンの美質なのだろう。
年長者から愛される資質、
これも得難い資質のひとつである。{/netabare}
第四十話「ユリアンの旅・人類の旅」
{netabare}あ、あう・・・フロッピーはないやろ・・・
衆愚政治・・・若き英雄・・・専制政治・・・恐怖政治・・・
架空とはいえ「歴史は繰り返す」そのものである。
人類は進化しない。
進化するのはテクノロジーのみである。
だから、人の営みは変わらない。
トロイの木馬の神話の時代から何も変わりはしない。{/netabare}