ClvyA33313 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
劇場版の名に恥じないクオリティー
三年生になって今までより少し大人になった楓たち、飯塚晴子さんが新たに描き下ろしたキャラクターデザインがその表現に一役買っています。
高校三年生といえば、純粋に子供でいられる最後の一年。
将来に対する期待や不安が常に渦巻き続ける一年でもあります。
第一部は、どちらかと言えばまだ期待を抱いている4人の、特に楓の将来への物語でした。
年月が経てばいろいろなことが大きく変わってゆきます。
前年、一緒に写真部として活動してきたかなえ先輩は、いまや花の女子大生。かたや写真部には、新たな後輩が二人も入部します。
また、いつもそばにいて楓の良き相談相手であり写真の師匠でもあった志保美さんは、竹原を離れて東京へ行くことになりそうです。
自分たちも成長し、周りも変わってゆく。その中で楓たちは、どんな決断をしてどんな道を進んでゆくのでしょうか。
今回のたまゆらを見て感じられたのは、画面の隅々までに気を配られた丁寧な作りでした。
キャラクターの表情や芝居、一つ一つが丹念に描かれていて、改めて総作画監督としての飯塚さんの手腕を感じずにはいられません。
正直、これまでのシリーズの中で、特にTVシリーズともなると、製作状況の問題なのか多少作画の崩れが目立つこともありました。
しかし今回は、徹頭徹尾しっかりと絵が決まっており、まさに劇場版と銘打つにふさわしい完成度だったと思います。
個人的に心に響いた場面は、エンドロールの映像全てです。
坂本真綾さんの新曲にのせて流れる映像は本当に素晴らしく、そこだけで少し泣きそうにすらなりました。
8月には第二部が公開され、来年の年明けまでたまゆらは続いて行きます。
楓たちの卒業まで、一緒に見守って行けるのが今から楽しみでもあり、少しだけ寂しくもあります。