karinchaco さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
メイン4人もかわいいがサブキャラたちも魅力的かつ、しっかり作りこまれている良作
漫画原作の作品
ど田舎の分校に東京から転校生が来るところから始まる日常系アニメ。
作品の舞台となる分校が小中学生合わせて5人しかしないことからもわかるように田舎ののどかな風景が中心に描かれています。
転校生である小5の一条蛍が転校してきたことによって小学校に上がったばかりの宮内れんげ(れんちょん)が自分たちの住むこの土地が田舎なのか?と疑問を持ったり、一つの教室でいろんな学年の生徒が一緒になって勉強するところとか、様々な田舎あるあるが登場するのがこの作品の特徴です。
まあ、田舎に住むものにとっては当たり前な風景ということもあって、これが本物の日常系アニメなのかと自虐的に感心してしまったところです。
この作品において、私が注目したのは登場人物の年齢層です。『のんのんびより』にはサブキャラ含め10名前後のキャラしか出てきません。しかも、ほとんどが女性ばかり。すこし、整理してみると・・・
小学生・・2名(内1名は転校してきた)
中学生・・3名(全員越谷家w)
高校生・・2名(地元1東京1)
大人・・・3名(先生・駄菓子屋・越谷母)
複数話に渡って登場したメンバーを中心に選びました。ちなみに、蛍ママも複数話に渡って登場していますがストーリーへの絡みが少ないので除外しています。
これを見ると、男性は越谷兄を除いてほとんど登場しません。スポット参戦も蛍パパぐらいでしょうね。
これは意図的に排除しているものと思われます。どうしても男の子が登場すると必然的にリーダー格になりうるので本来ならその立場であるはずの越谷兄に一言もしゃべらさないというのは、明らかにその手の作品とは一線を画したゆるふわな世界観を構築したかったのだと思います。
他に興味深いのはこの分校の卒業生たちの進路ですよね。高校生2人はれんげの姉「ひかげ」は東京の高校に進学した様子が描かれています。新幹線に乗ったことを自慢するなど典型的なおのぼりさん。対して、越谷姉妹のいとこの「このみ」は地元の高校に進学したみたいですね。
社会人たちを見ると、まず宮内家の長女でれんげたちの担任でもある「一穂」は劇中で大学に通っていて下宿をしていたというエピソードが出てきます。作品の中では先生として頼りない部分が多く描かれる一穂ですが、大学へ進学してもこうして先生として旭丘分校に帰ってくるというのはある意味泣かせる話ではあります。
本人としては田舎の学校ならばのんびり自分のペースで仕事ができるというのが目的なのかもしれませんがね。
後は、お婆ちゃんの駄菓子屋をそのまま受け継いだ「楓(通称:駄菓子屋)」ですね。れんちょんとの絡みしかあまり描写がなくバックグランドがよくわからないではありますが、通販などを手掛けているなどの発言から手広く商売をやっていると思われます。
登場人物そのものは少ないものの、子供だけではなくきちんと大人を介在させていることで、日常系なのに物語の厚みが出ていると思います。
メインの4人はもちろんかわいいのですが、サブキャラたちもよく作りこまれている作品だと思います。