ワタ さんの感想・評価

3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

勇者部活動記録

既視感があまりにも酷くて目眩がしたので一時視聴断念。

その後、何かと話題になっていたので観直してみると、やっぱり既視感が酷い・・・
でもそこは根性で！・・・ではなく、キャラ同士のやり取りに注目することで意外と見れることに気付いた。
Studio五組ということで、やはり萌え日常描写には安定感ありますね。
世界の危機という割には、戦闘パートにおいてもどこかほんわかした空気感があるのも悪くない。

この作品が某魔法少女作品を下敷きにして作られてるのは誰の目から見ても明らかだが、
そこはスタッフも重々承知の上で、寧ろ展開をミスリードさせるために上手いこと利用したなという印象を受ける。
否が応でも「衝撃的な展開」に期待せざるを得ない状況を作り出して、
それを待ち構える視聴者を嘲笑うかのようにスルーしてみせる。
この、焦らしプレイを強要させられるような感覚、嫌いじゃない。

結局、終盤になってようやく急展開をみせるわけですが、中盤までの方が楽しんで見れてた気がする。
正直な話、最後まで何事もなく終わらせてしまっても、それはそれでアリだと思うんですよね。
萌え日常系の延長線上にあるセカイ系作品「勇者部活動記録」として、纏まりのある作品に仕上がったんじゃないかと。
やはり全体的に見て、終盤に明かされる設定や展開がちょっと重すぎて、そこだけ浮いちゃってるんだよな・・・

{netabare}ただ9話は素晴らしかった。主に風先輩のブチ切れっぷりが。
この作品で血の通ったキャラクターって風先輩ぐらいじゃないか？
東郷さんもかなり極端な行動に走ってたけど、あれは脚本の都合としか思えなかったし、
他はどのキャラも良い子ちゃん過ぎるというか、変に物分かりが良かったりして、あまり感情移入できない。
勇者係数が高いってのは、つまりそういうことなんだろうけど。{/netabare}

結末自体は特に否定はしないけど、結末に至るまでが性急過ぎるので腑に落ちないというか、素直に喜べない。
上記で述べたミスリードを誘うシナリオ構成が、ある種独特の緊張感を生んだことには違いないけど、
終盤まで衝撃的な展開を引っ張ったことで尺不足に陥ってるし、
萌え日常描写が苦手な視聴者にとっては、終盤まで苦痛を強いられる弊害も生んでしまってる。

とりあえず作品もそこそこにヒットして、ある程度のブランド力もついたので、
もし続編をやるなら「元ネタありき」から完全に脱却して、純粋に作品としての質を高めて欲しいっす。

{netabare}にしても、友奈が人知れず1人で戦い続けてるという説は面白いですね。作品タイトル的にも凄くしっくりくる。{/netabare}