ふりーだむ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
見る順番
原作:ゲーム(未プレイ)
触れずに人形を動かす「法力」を持つ青年が、旅の途中で田舎町に住む一人の少女と出会い、その少女との運命的な出来事を描いた作品。
いわゆる「Key」作品の一つであり、「あにこれ」でも高い評価の作品ということと、同じく「Key」作品「CLANNAD」が好きなことで、大変遅れながら視聴しました。
原作未プレイであり、この作品の奥深さや充分な解説が無い分「あくまで個人的な、この作品を見た感想」です。解釈の違いや相違などありましたらご容赦ください。
物語的な感想
一人の青年と少女。偶然の出会いと思われていた「出会い」が実は運命的な「出会い」であり、ここから「この空のどこかにいる翼の生えた少女を探す」青年と「この夏に密かな思いを秘めた」少女が運命的で過酷な「夏」を過ごしていくというもの。
前半の出会いから往人が姿を消すまで、中盤の過去の因縁の物語、後半のエピローグまでの3部構成といったところでしょうか。
観鈴の夢と往人の目的、そして観鈴の変調とその因縁、そして結末といった内容。
個人的な見解からすれば観鈴は1000年前の神奈を継ぐものであり、往人は1000年前の柳也と裏葉の子孫であり、観鈴は神奈の悲しみを「呪い」という形で継ぎ、往人はその悲しみを開放するために「この空のどこかにいる翼の生えた少女」=観鈴を探して旅をしている。といったところか。
前半の一つ一つのエピソードからよく作られ、細かな登場人物の一人ひとりまで後半につながっている、筋立て的には良くできた作品だと思います。ですが、12話という尺の都合か、それとも「見ているものに考えさせる」という狙いからか、細かな説明が無い分、よく分からないことも多々あり、見終わった後、「なんて救いの無い話なんだ」と思いましたが、逆に「真相」を知りたくなるように感じました。
いろいろ調べ、色んな方の考察を読み、なんとなくこの作品の「真相」がつかめた気がします。
終盤の「そら」の目線から見た物語、晴子の葛藤や思いを描いている後半部分は少々ウルッときましたが、観鈴が逝ってしまうのを見てちょっと興ざめしてしまい、一つの物語としては良い作品だと思いましたが、深く考えないとこの結末が理解できないのが難しいところ。(私の頭が悪いせいか^^;)果たして1000年前からの神奈の悲しみは解けたのか、そらは翼の生えた少女に出会えたのか、そして砂浜にいた二人の幼き子供たちはどこへ向かうのか。いろいろ考えると難しい作品でしたが、かの「CLANNAD」比べてしまうと、物足りなさを感じました。
作品的な感想
「物語的な感想」で批判めいたことを書いていますが、この作品が「嫌い」なわけではないのです。
個人的に、タイトルにも書いた「見る順番」を間違ったことが要因です。
私は先に「CLANNAD」を見ています。その内容の濃さ、長さ、そして何よりハッピーエンドという終わり方にものすごく感動しました。ゆったりした流れから、ささやかな感動を積み上げ、「AS」後半の暗い展開を乗り越え幸せな結末を迎えた「CLANNAD」という作品の感動が私の中に強烈に残っているから、尺の短さ、急展開、ヒロインの死という結末が、受け入れられなかったということなのでしょうか。
作品の順番的に「KANON」という作品(未視聴)があり、そしてこの「AIR」があり、そのあとに「CLANNAD」があるようですが、おそらく順番通りに見ていけば、「AIR」にも違った感動があり、「CLANNAD」にもまた違った感動があったのだと思います。
それを逆にした分、「AIR」には物足りなさが残りました。個人的な見解でいえば「CLANNAD」製作途中に出来た「中途半端な途上作品」みたいな感じを受けました。この先に「完成形」である「CLANNAD」があるといったところでしょうか。あくまで個人的な感想ですが^^;
ただ、さまざまな考察を読ませていただいた結果、「輪廻もの」というくくりで見れば奥深い、壮大なテーマの作品であると思い知らされました。
ただ、アニメ版で見る限り、説明不足や、視点の変更など「原作を知り、細かい設定や背景、各キャラが口にする細かいセリフを読み解いていかないとこの作品の「確かな感動」は伝わらない」のではないか、と思った次第です。
・・・・・・そうなってしまうと、私の苦手な「考察系の作品」ということに気づき、、、、レビューを書くのを躊躇してしまう始末。
結局のところ作品の「上っ面」だけ見た感想と、CLANNADと比べてしまい、「満足できなかった」ということを述べただけになってしまいましたが、、、、^^;
先にも書きましたが、決してこの作品が嫌いなわけでもないし、悪い作品ではないと思います。むしろいろいろな情報を得た今、その奥深さや、キャラたちの想いをある程度把握した今、また視聴すればまた違った感想になると思いますし、この作品の良さを感じることができるのではないか、と思います。
作品の時系列(例えば1期、2期、OVAなど)のつながりもそうですが、制作側の作製順も、その作品を楽しむために大切なことだと知りました。この作品に関して個人的に感じたのは先にCLANNADを見たのが不味かった、が故に物足りなさを感じてしまったということ。また再びこの作品を見ることがあると思うので、観る前に私自身個のレビューを読み返し、登場人物の言葉の意味、各エピソードの意味など考えながら観たいと思います。