しんばくん さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
<1、2作目を観ての感想>
紹介レビューに"ミスリードを誘う構成が巧い"と書かれていても全く問題無い訳だ。だって疑いの眼差しを全てのキャラクターに向けても誰が犯人かなんて予想できませんでしたから。それに、1作目を観た上での幸福ゲームに至っては変に勘繰ってしまって、明らかに怪しいキャラが実は蚊帳の外の人間なんじゃないかと勘違いしてしまったりで予想なんて出来なかった。なので1話毎の構成も良く出来ていると感じましたが、2話続けての構成は更に巧く出来ていると感じた。
因みに1話毎の構成で良く出来ていると感じた場面は、幸福ゲームの終盤、生徒会長の白石香里が他人の幸福を奪って自らの幸福に還元している事を自白し、ジュウを道路に突き飛ばすシーン。ここで初めて生徒会長がまともな人間でない事に気づき驚いたが、そこで思考停止してしまい、絶対にジュウは車に撥ねられると思った。思考停止してる以上それ以外の可能性を考えられなかった。ここで私は主人公補正によってジュウは瀕死の状態から助かる事を予想したがそんな事は無かった。ジュウを避けた車は生徒会長を撥ねてしまう結果となり、正直2度も驚かされると思わなかった。故に大変楽しめた。
ですが、ここまで読む限りでは大いに満足しているように感じるかもしれないが、実はそうもない。なぜならばシリーズ全体では物足りなさを感じたからだ。物足りない要因はジュウと雨、2人の関係の顛末が曖昧だからだ。結局幸福ゲーム終了までに2人が良い関係であるという事は分かるが、それ以上の事は分からない。この先2人の関係に進展はあったのだろうか。非常に気になる。
なので、欲を言えばジュウと雨の関係に関するストーリーを1話追加して欲しかった。ミスリードが長所とも言える本作の構成を考えると、締めのラスト1話はシリーズを通してのミスリードを誘うストーリーが良いような気がする。それに、凄惨なストーリーが売りである本作は、やはり3作目も凄惨な末路を辿る路線が無難だと思う。(純愛路線は違う気がする。)
以下妄想。
例えば、ジュウを猟奇的な事件へ手引きしていたのは雨であり、雨自身はジュウのことを酷い目に遭わせた上で、最終的に自身の手でどうしても殺したい理由があった…とか。また、ジュウに対して電波的に振舞う理由は込み上げてくる殺意を巧妙に隠す為の振る舞いであり、且つジュウ自身を守ってみせる事で警戒心を解く為の行為だったとか。更には1話目の伏線回収として、終盤における空き教室でのピンチに駆け付ける事が出来たのは、トドメを刺されぬよういつでも手の届く範囲に居た為だったとか。ジュウをどうしても殺したい理由に関しては、本当に電波で特に理由も無くただ殺したいだけでも良いし、根深い恨みや妬みによる物でも良いと思う。ラストはこれ等のことを雨が自白した後ジュウを殺すが、殺した事を後悔する…とか。
妄想終わり。
兎に角、例に挙げたような穴だらけのストーリーである必要は無いが、"好意の表し方が不器用だが根は良い子"という視聴者の印象を覆すようなストーリーが観たかった。