ブランドン さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 2.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
Fix You
1期から4期まで一気に観ました。原作は未読。
視聴前は百合作品という印象だけでしたが
4期まで観終わると印象がガラリと変わりました。
私の百合という概念が浅はかだったのだと衝撃を受けました。
女性同士の過度な友情(イチャイチャ)を描いていれば百合なのか?
恋愛感情や肉体関係を描いているのが百合の本質なのか?
疑問が生じました。典型的な例を挙げれば心に傷を負った後輩が年上の先輩から慰められ、そこに友情あるいは恋愛感情が生まれる。
または同じ傷を負った者同士が支え合う、などです。
恐らくこれらは百合と言っても過言ではないでしょう。『マリア様がみてる』にもこの要素は詰まってます。
だからと言ってこの作品が「百合作品です!!」と自信を持って断言することが出来ません。
百合の印象は人それぞれです。私の場合、一つのジャンル区分として「百合」が確立されており、
いくつものドラマを織り成しているこの作品を「百合」というジャンルに放り込んで抽象化したくないのです。
また姉や妹、友人を想う愛情が深く描写されていることで
一括りにした様な「百合」という言葉が安っぽく感じられ、言葉通りの安直な作品として考えてしまうからです。
この私が感じた印象は姉妹システムが大きな要因となります。
姉妹システムによりマンツーマンで上級生が下級生を聡明な女性になれる様に導いていきますが
傍から見れば「教育」、「躾」の一環であり後輩の面倒を先輩が見る、この行為に尽きます。
ただ、この行為をしている場所が「女子校」であることで
行為自体への禁断性が強調されます。
物語の禁断性=同性愛は一部、聖様の回が大きく取り扱われています。
自分が異端者、学園には相応しくさいのでは?
と疎外感を醸し出していた聖様と栞とのかくも儚げな関係は美しいものでした。
この作品には聖域化した学園、神格化した生徒会、そして禁断性を印象付ける姉妹システム、
日常のようで入り込めない空間が3つもあります。
この隔離された空間同士が時に衝突し、混じり合い、
溶け合って彩られる物語はやはり「百合」と一言では表現出来ないでしょう。
では私にとって完全な百合作品とは?
まだ出会ってませんw
作画が2.5点なのは指先の描写が美しく感じられなかったからです。
聖様が祐巳の頭ナデナデした時に「グローブ?手ぇでっかすぎない?(´・ω・`)」
と思ってしまいましたw
あれは祐巳の頭が小さかったから?