「四畳半神話大系(TVアニメ動画)」

総合得点
88.7
感想・評価
2938
棚に入れた
13646
ランキング
102
★★★★☆ 4.0 (2938)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

12番目の狐 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

損にも得にもならないかげがえのない一度きりの青春

○あらすじ(オチまで。)

最終話思いもかけず泣いてしまいました(;ω;)
9話かけて様々な選択肢でつまるところ無碍に大学生活を送りもう一度入学し立ての頃に戻りたいと思う平行世界を繰り返します。
共通しているのは主人公がどの時間軸でも満足せず「華やかな大学生活を棒にふった」と思うこと。
しかし第10話で主人公は部屋から出られなくなってしまう。
壁を破るとまた自分の部屋。
しかし各々の部屋は全て微妙に異なっていて、どうやら選択肢を違えた自分の部屋だということに気付く。
それぞれの部屋で薔薇色とは言いがたいもののそれなりに充実した大学生活をしている自分とどの部屋にもカステラを差し入れている小津(オヅ)に気付く。
そうして、第10話の主人公は小津が自分のかけがえのない親友なんおだと悟る。
そこで部屋を訪ねてくる黒尽くめの二人の男。
小津を探し出し復讐することが目的らしい。
小津の危機を察知し自分の部屋に落ちていた小津のスマホで彼にイベントへ行くなと連絡を入れようとするが機器は充電不足でシャットダウン。
主人公は小津の窮地を救うため街に繰り出す。走って走って女装し逃れようとしたところ失敗して追い詰められ川に飛び込もうとしているところに駆けつけ「俺が何としてでもお前を逃がす!」と宣言。
小津は骨折をしたが無事助かる。
こうして主人公は損にも得にもならないが確実に自分を乾いた潤いで満たす下らない大学生活を謳歌する日常に戻るのであった。

○感想

1~10話まで主人公は一貫して小津を嫌な奴だと称しているが、視聴者からはどう観ても良き悪友にしか見えない。
そんな馬鹿を一緒に本気ですることの出来る友人は本当に貴重だと思うのだが主人公は気付かない。
また、様々なふんわりサークルや本気部活動、裏を取り仕切るグループに女の悩みを持つ団体などに所属するのだがどこにいてもいまいちコレと思わない模様。
しかし11話で孤独に無機質に生活していた主人公が時間軸が違う平行世界で四苦八苦する自分を見てその下らないがキラキラ光る毎日を観てはたと気付く。
大学生活に限らず、学生生活ってそういうもんなんじゃないかなと思います。
なんとなくつるんで馬鹿やって笑って次の日が来て。
それが実はすごくすごくかけがえのないものなんです。
よく「リア充」という言葉が「現実世界が充実している人」に使われるようになってから久しいですが、本当のリア充ってなんだあろうなって思えます。
テーマはおそらく、学生時代を振り返って、生活の本当の充実とは何だったのかとか、青春とは何か、あたりなのだと思います。
しかし小津くん自分でも言ってましたけど愛が深いですね。
よくSFものの設定で意志が強く絡みついた事象ほどどの平行世界でも起こり得るという設定を見ますが、四畳半では小津くんの思いがそれに近いのではと描写を見て思いました。
また、平行世界を移動した主人公が1~10話の主人公に実は影響を与えていたというネタばらしも面白かったですね。
全然気付きませんでした。
作画はこれまた独特ですね。
癖と毒が強いのでものすごく私的には好みなのですが駄目な人はとことん駄目そう。

○登場人物(wikipedia参照)


声 - 浅沼晋太郎
主人公であり、物語の語り手。ひねくれ者。屁理屈。
プライドと理想は高いが、非活動的で社交性に乏しい地味な青年。
大学入学を機にサークル活動を通じて「薔薇色のキャンパスライフ」を目論むも、小津とともに不毛で無意義な大学生活を送る破目になる。
小津に感化されたこともあって、性格が一層捻くれてしまう。

小津(おづ)
声 - 吉野裕行
「私」の悪友。
偏食家であるため顔色が悪く、妖怪に例えられるほど不気味な風貌。
他人の不幸をおかずに飯が3杯食える。
しかし立ち回りが巧く、多くのサークルや組織に所属して京都中に広い人脈と情報網を築き、「私」とは対照的に無意義な学生生活を存分に楽しんでいる。
意外にも恋愛に関しては一途で、実は小日向さんと付き合っている。
多くのサークルに所属することから、「私」はどのサークルを選んでも小津と巡り合い、友となる。
小津いわく「運命の黒い糸」で結ばれた運命共同体。
勝手にサークル内での立場を悪くしていく「私」を、時には煽り立て、時には天才的な立ち回りで助ける。
「私」曰く八面六臂な奴。

明石さん
声 - 坂本真綾
「私」と小津の、1年下の後輩。工学部建築科に所属。
理知的でクールな黒髪の乙女であり、歯に衣着せぬ物言いで周囲を寄せ付けない。
「私」がほんのりと好意を寄せていて彼女自身も「私」に興味がある。
話によって所属するサークルが違う。
「バードマンサークル」の場合と「樋口の弟子」の場合がある。
「私」を理解する唯一の女子。

樋口 清太郎
声 - 藤原啓治
師匠。自由人。大学8回生。
常に悠然と構えていて、神秘的な気配と高貴さと暢気な笑顔を湛える。」雰囲気は「良くて仙人、悪くて貧乏神」。
「弟子」を取り、ほぼ彼らからの貢ぎ物だけによって生活している。
交友は小津とは師弟関係(話によっては明石さんも)のほか、羽貫と仲がよく、城ヶ崎とは絡みがある話ではどの話でも自虐的代理代理戦争なる戦いを続ける因縁の仲。

城ヶ崎 マサキ
声 - 諏訪部順一
樋口の親友かつライバルで、樋口と自虐的代理代理戦争を5年近く続けている大学8回生。映画サークル「みそぎ」のカリスマ部長であり、水も滴る良い男でナルシストである。
しかし、私生活では「香織」と名付けたラブドールの愛好家という一面を持つ。
また極度の乳好きで石が乳の形と感触をしているクライミングのようなものを登る描写がある。
極度の潔癖症から生身の女性に触れられず、「香織さん」のみを愛するようになったと設定されている。

「一生勉強一生青春」という名言があるがこれは一般的に青春と言われる青少年期間を終了し懐かしく思い出すことが出来るくらいになってから観ることを強くおすすめしたい。

投稿 : 2015/05/26
閲覧 : 304
サンキュー:

7

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