chariot さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
キャラの心情に寄り添えるかどうか。
2007年放送の全13話。
空が好きな少年・依人と夜禍(やか)と呼ばれる陽の光に当たると焼けてしまう人外・茉莉の出会いから始まるファンタジー系感動作…を目指したのだと思われます。
バトル、淡い恋愛要素を含んだお話で中盤以降やや重くなります。
感動作と思う、というのは感動するかどうかは人によるので…
どれだけキャラの心情に寄れるかにかかってきます。
正直、感動系と認識していての視聴だった為にハードルを上げ過ぎたせいか、個人的にはさっぱりでした。。
思いつく難点を挙げると…
中盤、5話辺りから話が大きく動き出し、主人公たちの過去について断片的に見せ謎を深めて行くのですが、全様がわからない状態での展開が続き、「あっと言わせる展開」にしたいからか予測するヒントもかなり絞られている為にも常にやもやしたままの視聴になるのが結構しんどかったです。
また、依人・茉莉・蒼乃と関係者3人の性格設定や心情がはっきり見出せず、このキャラはこうするだろう、こうしたいだろう、といった視聴者側の思考を後押しするキャラ作りを成せていないような気がしました。
最後まで視聴した結果、各キャラなりの行動だったと思えなくもないのですが、観ている間はなぜそうなるの?という違和感がいっぱいでした。
(要は真意を伏せたフェイクが大きな違和感になってしまった感じ)
こういった流れからのラストバトルはキャラが本当はどうしたいのかしっかり理解しないと無駄に長く感じられ、バトルシーンそのものは悪くないのに飽きてしまう状態でした。
ストーリー全体については色々気になる所はありますが、結末も悪くはなかったと思いますし、中盤以降の展開も面白くはありました。
ただ、これで感動しようとするならキャラの心情をよく考えて観ないと話の展開だけで感動するのはやや無理があるかもしれません。
{netabare}人の死による感動は死ぬ人、残された人の感情にリンク出来なければ引き起こされないものだと思います。 {/netabare}
メイン3人の想いを理解してこその作品であり、気軽に観て感動しようという僕のようなライトな観方しかしないとどこで泣くのか??となってしまいますので、これから視聴される方は頑張って彼らの心情にリンクしてください。
ポイントとしては茉莉の夜禍として生きる孤独、ここに焦点が合っていれば彼女には寄りやすいのかなと思います。
気になった点:
{netabare}・真名は依人と出会って3ヶ月ぐらい…との設定なのにずかずか上がりこむ「幼馴染」のような立ち位置。
そこまで仲良くなれるものだろうか?
・こよりはとても丁寧な言葉や態度の子という設定はともかく、何故実の姉でさえ「さん付け」で呼ぶのか?
親の再婚で血が繋がってないならわかるが、そういった説明もなかった。
・更に真名・こより姉妹の親の存在すら曖昧。
「二人とも留守」なシーンがあり、存在はするのだろうが、朝ご飯を人の家で食べたり、依人を匿ったり、敢えて存在しないタイミングが多い。
忙しい親、で納得すべきか。
・剛史の身体能力が異様に高い点。
夜禍である茉莉のいる高い場所まで飛べる人間ってなんだろう。
・記憶の操作。
依人の記憶(茉莉に会い、刺した)を書き換える事は出来たとしても、携帯の待受写真から蒼乃と依人が消えたりクラスメイトの記憶から消えたのは何故?
・依人に会った茉莉の態度。
極めて普通に出会い普通に対応していたけど、名前と姿で生前の依人を思い出さない訳がない。
しかしそんな素振りを一切見せない。
更に姉の名前が蒼乃である事に驚く。
彼女の記憶はなくなったりしていないはずなのに何故だろう?
依人を作った事を知らないのならその出会いのシーンから疑問に思う所はあるのではないだろうか?
{/netabare}