とろろ418 さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
無限大な夢のあとの……
【良かった点】
・デジモン
進化演出など違和感もありましたが、昔の声そのままだっただけで大満足です。
・コンセプト
内容そのものはともかく、主人公たちの成長に伴う葛藤を描くというのはいい路線だと思います。
【良く思わなかった点】
・全体像
序中盤は悪くなかったはずですが、終盤の超変化球により、作品として瓦解してます。
あからさまな尺調整、序中盤との整合性のなさ、描写不足による感情移入のしづらさ、不自然な設定などなど。
・コンセプトと現実の差異
前述の通り、大人になった子供たちをターゲットにしている点は問題なし。
だがしかし、それとは真逆に薄くなった印象を受ける点が多いです。
キャラデザイン然り、音楽(アレンジの仕方)然り、演出然り。
主人公たちは学生だけど、主なターゲット層は学生じゃないはず。もっと厚み出せるでしょうに。
・作品愛への疑問
なんでしょう。
こうすると熱いよね、ここは拘りたいんだよね、というより、こうしとけば満足でしょ、ここまでする必要ないよね、という声が聞こえてくるんですよね。
単純に落とし込めていないだけなのか、実際にそうなのかは分かりませんが、一ファンとしてはとても悲しいです。
以下は無駄な構想。
{netabare}
今まで引っ張る側だった太一が立ち止まったり、闇落ち経験のあるヤマトが逆に引っ張ろうとする、というのは良いと思います。
問題は設定、描写不足なんですよね。
街を破壊してしまうから戦えない?
普通は、目の前で人が傷つきそうになってるのに何を言ってるんだコイツは、ってなりますよね。
これが街ではなく人になるだけで、大分違います。
それに加えて、太一が自分の意思とは無関係に他人を傷つけてしまったことがある。(サッカーの試合で誰かに後遺症レベルの怪我を負わせてしまい、今はサッカーから離れているとか、不良に絡まれているソラを守ろうとした際の過剰防衛で、相手を大怪我させてしまったとか)
などの設定があるだけで大分太一の行動に説得力を持たせられるはずです。
終盤は……どうしようもないですね。
とりあえず前中盤の流れを継ぐのなら、成熟期以上への進化は制限されていることにする。理由は後作品でも良し。
一番の難敵はアルファモンですよね。
正直、コイツが動いていることも、コイツから逃げ果せていることも不自然だし、戦闘云々で渋々撤退するなんてのはとてもじゃないが考えられない。
もともと捕まえる気がなく、別の目的があった。など正当な理由が必須でしょう。
あと、仲間たちが余りにも近くにいるのが気になりますね。
これだけでリアリティも、バラバラになっていた仲間たちが徐々に集まってくるという熱い展開も奪われてしまっているのが残念。
離脱組は絶対必要だったと思うんですけどね。
その相棒デジモンは進化できないという枷、そこから生じるピンチに離脱組の復帰、これだけでもうドラマじゃないですか。
群像劇、面白いのになぁ。ああホント、もったいないなぁ……。
{/netabare}