OZ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ノリと演出とバカストーリー
原作のライトノベルは未読だが
評価が高いので観てみる事にした2010冬アニメ
■ノリと演出とバカストーリー■
クラス振り分けテストの結果
最低ランクであるFクラスになってしまった
主人公 吉井 明久と同じクラスのバカメンバー達を中心に
面白可笑しくもちょっぴり非日常な学園生活を描いた
学園ラブコメ作品『バカとテストと召喚獣』
まず今作品のもっとも評価したい点はキャラクターだ。
ハッキリ言って内容は薄いシナリオだが
ノリと勢いで押し切ってくれる
コミカルで憎めないキャラクター達が好印象である。
続いて面白く感じた点は演出面。
アイキャッチや次回予告時に毎回挿入される問題が
コメディ全開のバカストーリーに
尚更エッセンスを加えているからだ。
模範解答が答えてある横で
津田 健次郎さんが演じる福原先生が
明久やムッツリーニ達の珍回答に対して
ボソっとツッコミを入れるだけなのだけれど
まさにタイトル通り"バカとテスト"の部分が具体化されており
ここを楽しみで観ていた人も多いだろう。
次に音楽面だが
作詞 畑亜貴さん×作曲 前山田健一さん(ヒャダイン)の
コンビから作られたOP「Perfect-area complete!」は
今作品の楽しげな雰囲気が存分に表われていて
カラフルな映像とアップテンポな曲調がガッチリ噛み合い
飛ばせないOPの一つとなってお気に入り。
「コツコツコツと~」のフレーズ時に
音とハマってタイミング良く振り返る雄二のカットが印象に残る。
シリアスな場面があろうとも
決して暗くなる事は無いので
ひたすら楽しい気分へとさせてくれる
実に賑やかな作品である。
■試験召喚システムは・・・■
今作品のキーワードでもある「試験召喚戦争」
メインである試験召喚戦争シーンは
見所として物足りないのが正直な感想だ。
学力テストの点数に応じて
召喚獣の強さが変るシステムなのだが
"何故召喚獣を用いて戦わなければならないのか?"
核となる部分が描きれておらず
普通にテストで勝敗を決めても良いのでは?と
説明が足りていないのは少々残念。
圧倒的な点数差があっても
雄二の策によって勝敗をひっくり返せるが
そうなるとテストそのもののを行う
根本的な意味が希薄になってしまうのである。
加えて言うのであれば相手をする他クラスは
ただ闇雲に突っ込んでくるだけの戦法が多く
徐々にワンパターン化してしまうのもネックだ。
細かい事を気にしないで
勢いだけでも問題なく楽しめるけれど
試験召喚システムがもう少し明確に描かれていたならば
もっと試験召喚戦争の醍醐味を味わえた事だろう。
目を引く設定だけに勿体無さが残ってしまった。
■第3の性別 秀吉の存在感■
好感の持てるキャラクターが登場する中
今作品で異彩を放っていたのは
何と言っても古風な口調で話す
可愛らしい容姿の木下 秀吉である。
彼(彼女?)は男性でも女性でもなく
第3の性別"秀吉"との事で
設定からして抜きん出ており存在感は抜群。
しかし それだけの存在感があっても
今一つ活かしきれていないと感じた点がある。
秀吉を弄る際に「ワシは男なのじゃが・・・」と
女性と見間違えてしまう
性別ネタ以外ではスポットが当たらない事だ。
もっとも試召戦争時には
明久達のバックアップに徹する場面が多いので
仕方ないのではあるが
同じくFクラスのメインキャラクターである
ムッツリーニと比べて戦闘シーンが少ないのも惜しい。
とは言え「今作品で誰が可愛かった?」の問いがあったならば
瑞希 美波 翔子 他多数の女性キャラクター達を抑えて
秀吉を真っ先に挙げる人は多いだろう。
男の娘に目覚めるきっかけにもなりかねない
第3の性別 秀吉とは末恐ろしいものである。
■あとがき■
試召戦争のシステムには粗が目立ったものの
魅力的なキャラクター達のおかげで
期待していたよりずっと楽しめる全13話でした。
所々で雄二が明久を説得する際の
白黒演出には毎回クスっとしてしまったよ。
地味に効くやりとりだったな。
お気に入りキャラクターは秀吉!と言いたいところだが
作中で1番萌えていたのは
スレンダーで男勝りな性格の島田 美波。
暴力的描写が苦手な人は
受け付けないキャラクターっぽいけれど
時折見せる乙女な一面が何とも可愛らしい。
第4話「愛とスパイスとお弁当」のラストで
やっと明久に弁当を渡せる事が出来た時の嬉しそうな表情に
思わずときめいてしまったよ。
一生懸命な女の子って本当に輝くものだね。
果たして明久は誰を選ぶのだろうか。
瑞希なのか?美波なのか??
それともまさかの秀吉なのか(笑)
バカテスらしいオチを期待しつつも
恋の行方は気になるところ。
2期の『バカとテストと召喚獣にっ!』を観る前に
OVA『バカとテストと召喚獣 ~祭~』で
Fクラスの愛すべきバカ達と
再び会えるのを楽しみにしよう。
満足度 ★★★★★★★☆☆☆ (7)